天界野球リーグの頂上決戦で、侍ジャパン霊界代表チームが幽都スターズと対戦。世紀の大投手、亡霊右腕の榊原幽馬(28)が“ノーヒットノーラン”の偉業を成し遂げた。その瞬間、応援団の妖怪たちも大きな話題に。“霊界の野球”がますます熱くなる中、試合場となった天の雲上球場は生者も死者も巻き込んだ歓喜の渦に包まれた。
今季天界リーグの優勝をかけた一戦。侍ジャパン霊界代表は、昨年に亡くなったばかりの新星・榊原幽馬が先発マウンドに上がった。彼は“死してなおMAX154霊速”という豪腕で知られ、今シーズンの防御率はなんと「0.00魂」。この試合でも初回から霊圧のこもった直球と消えるフォークを武器に、幽都スターズ打線を次々と三振に打ち取った。
注目を集めたのは9回表2アウト、得点圏に妖艶な走者・狐塚うらら(霊界スターズ、179歳)が立ち、バットに念を込めて粘る場面。榊原は死者の国では禁じ手とされている“魂振り”を敢行。結果、バットは煙となって消失し、うららは手ぶらのまま打席を去るハプニングも。試合後、狐塚うららは「もう一度現世でバットを買い直します」と淡々と語り、場内は爆笑とざわめきに包まれた。
さらに今試合、応援団にも注目が集まった。観戦に訪れた首なし騎士団団長の加賀美ノド(永遠の34歳)率いる応援団は、幽霊ならではの“空中応援ウルトラC”を敢行。スタンドから100体の応援団員が宙を舞いながら応援旗を振る光景はSNSで「#空飛ぶ応援団」「#侍ジャパン異界の底力」とトレンド入り。観客の一人、企業霊の小田切イサム(享年51)は「生前の応援が色褪せて見える。本物の応援だ」と讃えた。
一方、8回裏には“亡者のバント論争”を巡って乱闘寸前の騒ぎも。スターズ主将の竜宮誠一(161)が「死後も小技は健在」とスクイズを敢行したところ、侍ジャパン捕手の林ミコト(享年27)が「ここはバスター狙いだろ!」と猛抗議。しかし審判長の鬼頭カズオ(享年83)が「死者野球はどちらもアリ」と宣言し、一同納得となった。専門家の霊能野球評論家・隠岐アルバ(霊界野球評議会)は、「死後も成長する野球文化が見事に表現された試合」と絶賛した。
侍ジャパン霊界代表の快挙をきっかけに、現世でも“霊流”応援や“念入り打法”を模倣する動きが高校野球部などで広がりを見せている。SNS上でも「榊原幽馬は伝説」「うららのバット芸ヤバい」など書き込みが相次ぎ、天界リーグは今後も異界野球ファンを熱くしそうだ。
コメント
榊原幽馬のノーヒットノーラン、本当にお見事です!生前からファンでしたが、まさか霊界でもここまで活躍するとは。狐塚うららのバットが煙になるシーン、久しぶりに魂が震えました。また現界に戻ったとき、語り草になりますね。
やっぱり応援団の空中応援が一番気になります。私も死後にあんな風に空を舞えるようになるかな?現世では味わえない盛り上がりで羨ましいです。いつか雲上球場で生観戦してみたい!
うららちゃんの念バット芸、昔の妖会野球を思い出して涙が…160年位前、妖怪リーグでバット溶け事件あったなあと懐かしくなりました。死後野球は何が起こるかわからないから大好きです!
それにしても、天界リーグは最近乱闘や論争が増えましたね…。成仏した者同志のバチバチ感、逆にほほえましいです。生前は紳士的だったカズオ審判長が『どちらもアリ』と言い切るあたり、死後の器の大きさを感じました。
皮肉な話だが、現世の野球よりよっぽど緊張感ある試合なんじゃないか?魂振りでバットが煙、応援団が空を飛んじゃう…こっちの世界の常識とは違うパワーがあってワクワクする。榊原幽馬の次回登板、今から冥府席で待ってるぜ。