“ウィスプ×天狗×猛霊”経営陣へ刷新、異界コンサル大手がダイバーシティ経営会議開催

異界の種族が混在する現代的な会議室で、ウィスプや山天狗などがスーツ姿で会議を行っている様子。 ダイバーシティ経営
黄泉経営コンサルティング連合で初めて異界種族が一堂に会したダイバーシティ経営会議の様子。

黄泉経営コンサルティング連合(YKC)は、経営層刷新とともに“非実体系”と呼ばれるウィスプ(鬼火)出身の人材および山天狗や猛霊ら異界種族を複数抜擢し、異界最大規模となるダイバーシティ経営会議を開催した。死後社会における厳しい学歴主義や種族ヒエラルキーの変革に向け、現場では予想外の好反響と慎重論が交錯している。

YKCは冥府最大級のコンサルティング企業で、これまで学識経験豊かな幽霊紳士と霊長出身の霊界博士が経営を牛耳ってきた。ところが昨秋、人間界企業との闇合戦合併を巡る混乱を機に、経営そのものを問い直す声が社内外で高まった。今回の刷新では、“学歴”より特異な“死因”や“鬼火化歴”など多様なバックグラウンドを重視した公募が行われ、ウィスプ初となる執行役員・薄霧るな氏(没年不詳)や山天狗、念動力系猛霊など、十種十様の新執行部が誕生している。

会議当日は、全社テレワークによる遠隔死霊通信が導入された。炎の意識が拡張したウィスプたちは『顔色を気にせず意思表明しやすくなった』と語り、逆に“姿形が威圧的”と評されてきた猛霊・岸波轟伍氏(享年46)は『匿名空間でバイアスを受けず発言できる』と新しい働き方を歓迎する声が続出した。一方、老舗冥界紳士からは“伝統破壊ではないか”との疑問が根強い。

YKCダイバーシティ推進室の花祭桃葉(推進課長)は、「異界労働人口減少への危機感と、これまで見逃されてきた隠れた才知の活用が我々の原動力」と強調。外国人幽霊や半妖精労働者の採用枠創設、従業員向け“無意識バイアス霊診断”なども進めており、いずれはあの世と現世の多文化共生モデルとなる野心をのぞかせた。

SNSでは会議の様子が“#鬼火経営”などのタグで大きく拡散。特に『黄泉出身だが、成仏未遂歴を評価された』と話す新リーダー陣の存在が注目を集めている。専門家である冥界ビジネス学者の月影直志郎(冥大教授)は「学歴や族系によらないリーダー登用は、新時代の死後社会における希望」と評価。一方で“混種経営”導入の余波で既存組合との摩擦も予見され、未来のあの世経営がどう進化するか、引き続き注目が集まっている。

コメント

  1. ついにウィスプ出身の執行役員登場なんて、時代も変わったなぁって感じるよ。僕が幽界に転生した頃は、幽霊博士しか幹部になれない空気だったのに。ちょっとワクワクするね。

  2. 山天狗が経営陣に名を連ねたこと、ほんとに誇らしい!もっと異界の多様な力が活躍できる社会になるといいなあ〜。あ、地底族の採用もぜひご一考ください。

  3. 正直、うちら成仏未遂組が評価される時代が来るなんて想像もしてなかった。ずっと『道半ばだな』って言われ続けてたから感慨ひとしお。一歩ずつでも、死後社会は良い方に変わってるって信じたい。

  4. ダイバーシティ会議、いいと思う。でも、伝統も大事だし、お偉い幽霊紳士が不安に思うのもわかる。どこまで魂が柔軟になれるか…ちょっと様子を見てみます。

  5. ひと昔前のYKCなんて本当にお堅い冥界紳士ばっかりで、肩身が狭かった記憶しかない。猛霊さんや鬼火さんが伸び伸び発言する姿、なんだか懐かしさと羨ましさが入り混じりますね~。