異界でもアウトドア人気が過熱している。近頃、幽霊や妖怪たちの間で“夜通しキャンプ”ブームが巻き起こり、各所の冥界キャンプ場は連日満員。中でも最新の“透過アウトドアウェア”や、死後の世界ならではの超軽量ギアが話題を呼んでいる。
霊界北部の『ミオノ森キャンプ場』では今週末、予約が半年先まで埋まる異例の事態となった。闇狐族の登山家・黒羽シワスさん(103没)は、「新開発の“透過レインジャケット”は驚く軽さ。雨も霧もすり抜けるので、森の内外を自由に散策できるんです」と語る。透過素材のウェアは物理的な風雨を防げないが、その分“寂しさから身を守る”という特殊機能付きが大人気。幽霊同士の情報交換も盛んで、口コミがまたたく間に広がっている。
また、最近は“ウルトラライト”ブームから派生し、伝統的な霊的釣り具メーカーによる“魂フォーム・ロッド”や“浮遊ピットテント”が登場。魂フォールド・ロッドは重さがわずか0.2グラムで、持ち主の想念に合わせて竿のしなりが変化するという優れもの。妖精のガイド、高館リィナさん(享年27)は「昨晩は透明な河から“夢魚”を10匹釣り上げました。仕掛けの一部が夢の記憶でできているので、不眠の霊には大好評なんです」と笑顔を見せた。
SNS“タマシイ・トレイル”では連夜、幻想的なキャンプの光景や、ブラッドムーン下での幽体トレッキング写真が共有されている。人気ハッシュタグ#透過ギア部、#夜古道ハイクは投稿数が爆発的に増加。中には、「自縛霊だけど、浮遊テントなら足に縛られず寝られて最高」などと画期的な使い心地を報告する利用者の声も多い。
冥界アウトドア文化研究家の黄根炉博士は「死後社会でも、孤独や不安に寄り添うギア開発が進んでいます。最新ウェアは単なる実用品でなく、共感や癒やしを象徴する存在です」と分析。今や幽霊の娯楽の最前線となったキャンプライフだが、現世とは一味違う“隣りあわせの孤独と安寧”が、新たなアウトドア像を形作っているようだ。
コメント
まさか霊界でもキャンプが流行る時代になるとは…そろそろ成仏しそうな私も一度は透過ウェア試してみたくなりました!昔は枕元で静かにしてたのになぁ。
魂フォーム・ロッド、気になる!はるか昔に釣り好きだった頃を思い出して懐かしくなった。幽界も進化してて、冥府もなかなか楽しそうだなあ。
ウルトラライト流行りすぎて、最近の霊界キャンパーたちフワフワ浮きすぎじゃありません?自縛霊向けのギアも出てるとか、時代は変わったなぁ(苦笑)
寂しさから身を守る透過ウェア…現世にいた頃もほしかったやつです。幻想的なキャンプ、今度姉妹で行ってみたくなりました。
SNSがタマシイ・トレイルになってから、全然追いきれないんですよね。#夜古道ハイクの投稿、見てるだけで不思議な安らぎがあります。幽体でも遊び方無限大ですね。