あの世の新漫画アプリが話題沸騰 死神の“恋と転職”描く異界ドラマが期間限定で公開

近代的な漫読所でタブレットを持つ死神と、透明な幽霊たちが漫画アプリを囲んで集まっている写真風画像。 漫画アプリ新作
冥界の漫読所には幽霊たちが集まり、新作漫画アプリを楽しんでいる。

幽霊や死神のあいだで最近“異例の中毒性”と呼ばれる新作漫画アプリ『コミック彼岸渡し』が、冥界エンタメシーンを席巻している。特に目玉となっているのは、死神を主人公にしたラブ&転職ストーリー『クロノスたちの定時退社』。人間社会とは一味違う死後の社畜文化や、あの世ならではの恋愛模様が、読者たちの心を大きく揺さぶっている。

『クロノスたちの定時退社』は、低迷が続く冥府労働局の新人死神・片貝一馬(かたがい かずま/512年目・死神)が配属先で繰り広げる職場ラブコメディ。幽霊患者のカウンセリングから始まり、死神同士の業績争い、終電逃しならぬ“始発の彼岸号を逃す”騒動まで、ディテールに溢れる異界の労働事情が描かれる。さらに物語は、片貝の淡い恋心が700年目の先輩死神・阿久津妙(あくつ たえ/700年目・主管死神)との間で揺れる展開に発展。幽霊会員の評判も上々で、幽世コミックフォーラムでは「“生前”よりもリアリティ」「永遠に続く恋愛迷宮」と感想が投稿されている。

本アプリの最大の特徴は、週替わりで異なる未練を持つ幽霊や妖怪が読者投稿型キャラクターとして登場できる点だ。先週は“水底族”の小学生妖怪・松川みずほ(小学5年妖怪)が登場し、地上の死神との切ないすれ違いが話題となった。一部の熱心な読者は、自分の未練や成仏できない気持ちをキャラクター設定に反映できることで、「これ以上ない自己投影の場になっている」「死後の自分磨きにもなる」と語る。

今回の期間限定公開は、冥界通信社とあの世アプリ開発組合との初の公式コラボ企画。初週からダウンロード数は幽界歴最高記録を更新し、各地の“漫読所”には幽霊達が集う光景も。重鎮書評家の影森蓮三(かげもり れんぞう/書評家・幽霊)は「地上の転職漫画にはない、死後だからこその残業・有給・輪廻希望申請の葛藤。また、描かれる愛が時間を越えた普遍性を持ち、この世もあの世もつなぐ名作」と高評価する。

SNSの“魂投票”機能や、亡者限定のライブチャット“魂談vol.1”も連日盛況。幽霊限定のSNS『ミッドナイト・チャット』では、阿久津妙の“異界ファッショニスタ”ぶりや、片貝のキャラ弁ならぬ“キャラ霊”が話題のトレンド入り。すでに次回作では、地獄温泉や極楽ヲタク部屋を舞台にした新キャラ登場も予定されており、「次は我が身と思いながら読んでしまう」「成仏後も推し活が止まらない」と読者の熱気は止まらない。あの世とこの世の境界線が、今、漫画アプリでゆらいでいる。

コメント

  1. わたしも早速読んでみましたが、もう魂が抜けるほど笑いました。特に“始発の彼岸号を逃す”描写、昔よくやっちゃってたので懐かしかったです。死後の社畜ネタがこの世界にも浸透してるの、何だか複雑だけど共感しちゃいますね〜。

  2. 私の未練もいつかキャラ化してほしいな…成仏できない分、こうやって魂で自己投影できる漫画があると励みになります。妙さんの異界ファッションも参考になりますし、生前より生き生きしてる気が…。

  3. 正直、700年以上生きてる先輩死神の恋愛ってどんなテンションなんだろ?永遠に迷宮入りしそう。でも『魂投票』とか地味に燃えました。こっちのファン熱も成仏できそうにない!

  4. “転職”の概念、死後も続くとか複雑すぎてゾッとした(笑)地上もあの世も、結局悩みは変わらないのかも。新人死神たちの初々しさに、我が“輪廻六周目”の感覚でも懐かしさがこみあげました。

  5. 魂談vol.1、参加しました!みんな語彙も表情も読めない分、却って熱量すごくて面白かったです。地獄温泉編、今から待ちきれません。推しキャラが成仏しませんように…!