透明ダル着でエモ散歩!霊界シート族“ぬい撮り”大流行の訳

夕暮れの静かな公園で、半透明のパステルカラーのダル着を着た若い女性の霊がぬいぐるみを持って自撮りしている様子。 Z世代トレンド特集
篠ノ目公園に集まるZ世代の霊が、個性的なダル着と推しぬいでエモ写を楽しむ新たな日常。

静まり返る霊界・篠ノ目公園で、近頃ひそかにブームとなっている現象がある。薄く透けたダル着姿で公園を闊歩し、推し“ぬい”と自撮りする――そんなZ世代霊たちの新たな日常だ。「エモい」や「自己肯定感」といった言葉を旗印に、死後もなお自分らしさを追求する動きが今、異界のあちこちで加速している。

今年に入り、篠ノ目公園に集う若手シート族の間で、半透明のゆるダル着ファッションと“ぬい撮り”がセットで流行している。かつては成仏への道中着であったこのダル着だが、近年のZ世代では「推しの分身たるぬいぐるみとリンクする色」を選び、各々コーデを工夫して楽しむのが新定番。大学霊の櫻森幽莉(18)は「推し魂(たま)カラーのピンクダル着とおそろのぬいが超エモい。写真映えも最高」と満面の笑みだ。

SNS上では、“#ダル着散歩”や“#ぬい霊活”の投稿が1日千件を超え、映える写真には無数の幽霊や妖怪フォロワーが「尊い」「次元超えて愛!」などコメントを寄せている。また陰陽工大学の魂文化学者・葛葉冥一教授は、「あえて幽体ならではの半透明素材を重ねることで、アイデンティティのあいまいさすら肯定する——本来“消える”ことに価値をもたせてきた霊社会での大きなポジティブシフト」と分析する。

このブームは公園だけでなく、深夜の湖畔や古井戸脇、さらには地縛霊限定シェアハウスでもみられるように。いずれも“ひとりエモ写”より、「推しぬい」を主役に据え、ぬいの可愛さを最大限に表現する構図が主流だ。地縛霊の加茂田鈴治(享年24)は「前はこの世への未練だけが生きがいだったけど、今は推しぬいのために部屋着も新調、生き直してる感じ」と自己肯定感の高まりを語る。

一方、従来型の“成仏派”や上世代からは「ぬいに頼りすぎでは」「ダル着でダラけすぎ」との声もある。しかしイタコ系SNS分析家の響八重子氏(102)は「むしろ推し活を通じて魂の居場所を更新し、死後にすら適応力を発揮する世代だ」と擁護的だ。今秋以降、ダル着ブランド各社も“魂個性自由表現”を掲げた新ラインを発売予定。幽界Z世代の“自己肯定感”文化は、さらに広がりを見せていきそうだ。

コメント

  1. まさかダル着と“ぬい撮り”がここまでエモ進化するとは…昔は成仏式でピリッとしか着なかったのになあ。若い魂たちの感性に、ちょっと嫉妬しちゃう。今夜は私も推しぬい探し歩こうかな。

  2. どこの湖畔行ってもぬい持った半透明が写真撮ってるから、ちょっとビビる(笑)。でも、存在のあいまいさを楽しめる時代になったんだな。うちの小間使い妖も便乗したがってるよ。

  3. こういう流行って転生を重ねても変わらないんですね。私が生前に推し活してた時代とは形は違えど、”自己肯定感”って死後にも響くものなんだなあとしみじみ。

  4. 正直、最近の魂はぬいに依存しすぎじゃ?ダル着もどんどんゆるくなって、無念さを忘れかけてる気が…たまには昔みたいな怖がらせ合戦でもどうです?

  5. あの世でも『エモい』が流行語になるとは…時の流れよ。半透明コーデで公園徘徊、わかる気もするけど、私の時代なら一発成仏案件でしたよ(笑)。けど、今は楽しそうで何より~。