死後の世界最大規模とされる音楽イベント「ネザーバンドフェスティバル」が昨日未明、冥界西部ドレイン平原で盛大に開催された。しかし、ヘッドライナーである死人楽団『ホロウ・シンフォニア』の突然の出演者消失により、会場は前代未聞の混乱に包まれた。さらに新たなチルゾーン出現の噂が波紋を呼び、“推し活”愛好家たちにも動揺が広がった。
主催者によると、『ホロウ・シンフォニア』は予定通り深夜零時に登場するはずだったが、舞台に姿を現したのはメンバーの半数のみ。残るメンバーは、舞台袖の“霊界フォグ”に吸い込まれるように消え、楽器だけを残して忽然と消失したという。最前列で“推しうちわ”を振っていた幽霊OLの鎖野まよ(享年28)は「魂抜けた……推しのドラムソロ目当てだったのに」とSNS「グレイヴター」で憤るなど、ファンの間には戸惑いが広がった。
さらに混乱を拡大させたのが、会場端に突如発生した“幻のチルゾーン”だ。通称“無念のソファスペース”として都市伝説化していたこのゾーンは、長居すると現世の記憶が一時的に“ふわふわ”状態になる特徴を持ち、異界音楽ファンの間では「一度は体験したい推しスポット」として語られていた。消失事件直後、突然現れたこのエリアには、出演者失踪と入れ替わるように各種妖怪アーティストや熱心な推し活客が吸い込まれる現象が多数目撃されている。
フェス常連の死神DJ・黒烏門隼(くろからすかどはやと、享年40)は「チルゾーン内部では、時空感覚が乱れる。気付いたら推しのライブが終わっていた……これは新手の冥界エンタメ詐欺かもしれない」と体験談を語る。専門家の幽界文化研究家・落葉みどり(幽世大学教授)は、「冥界のスピリチュアル密度がピークに達した時、無意識的に新たなチルスペースが具現化することがある。出演者が“推しパワー”に吸われ消えるのは、異界特有の群集心理現象だ」と分析する。
主催フェス実行委員会は「消失メンバーはなんらかの波動干渉を受けた可能性があるが、魂体への被害は確認されていない。推し活を安全に楽しむためにも、定時巡魂員による巡回と覚醒芳香剤の散布を強化する」と発表した。一方、SNSでは「幻のチルゾーン、おかわり希望」「推しに溶けるフェス最高」といった熱狂的な声も寄せられ、死後世界のエンタメシーンは未だ収束の兆しを見せていない。



コメント
いやあ、私も現場にいましたけど、ホロウ・シンフォニア消失には骨が震えた!推しドラマー帰ってきてほしい〜。幻のチルゾーン、つい足突っ込んで頭ぽやぽやになりました……次回は無念ゾーン対策必須ですね。
死人楽団が消えたと聞いても、霊界フェスあるある感しかない…。そんな混沌があるからこそ、推し活もやめられません。現世とは違うこの予測不能なエンタメ、大好きだなあ。
正直、幻のチルゾーンの存在は都市伝説と思ってました。あのソファで一瞬転生前の思い出がよみがえった時は鳥肌立った…。でも、推しに会えなくなるのは切実にツライ!
またか、って感じ。フェスで出演者が消えるたびに『運営何してんの?』ってなります。チルゾーン対策より、どうやったら安全に推しドアップで見られるのか、もっと情報ほしい。
無念のチルゾーン、前世で体験しておけばよかった〜!消えた推したちも、きっとどこかでチルしてるんでしょうね。幽界らしいハプニングだけど、なんだか懐かしく感じちゃいました。フェス最高!