幽界の資金運用をめぐり、議会最大会派である“グレムリン・ロビー”の政治資金が、最新の収支報告書に正規記載されていなかった事実が明るみに出た。異界中枢の資金管理庁は虚偽記載の背景として、新興の“幻影通貨”による資金移動を指摘し、クラウド会計システムによる監査強化と調査班派遣を決定した。
異界中央議会の監査委員会は、今年度のグレムリン・ロビー収支報告に根本的な不一致を確認した。問題となったのは「幻影通貨リリス」の記載漏れで、物理的なコインも電子的な記録も持たないこの資産が、議員8名の執務棟改修費や“黄泉の森”再生委託金として流用されていた。一部報道によれば、この幻影通貨はグレムリン界隈で“労働時間の退屈さ”と交換される特殊通貨で、会計システムが検知できず資金追跡が困難だったという。
専門家の灰木ドグラ(死後金融研究所・幽界会計部門主任)は、「幻影通貨は実体が薄いため既存のクラウド会計には記録されにくい。グレムリン族は持ち前のいたずら心で、資金を‘姿なきまま’管理していた可能性があるが、透明性時代に即した監査体制が不可欠だ」と指摘する。実際の調査では、1日平均300リリス相当(およそ数百“嫌われポイント”に換算)が見えない形で消費された形跡が残っていた。
グレムリン・ロビー代表のゴブ・ラトケ議員(不明年齢)は、「我々は全ての資金について正直に記載してきたつもりだが、幻影通貨の物理的証憑が存在しないことで誤解を招いてしまった」と釈明。SNS上では「現世であれば即アウト」「幽界の会計もアナログ脱却してほしい」などの声が上がっている。一方、同族からは「透明化の波にばかり押されて伝統の裏技術が消えそう」との慎重論も根強い。
資金管理庁は、今後全議員を対象に“幽光クラウド台帳”の導入を義務化するほか、幻影通貨を監査対象とすべくシステム改修を施す方針。霊的監査官による“魂の残響”記録も追加され、より一層の透明性が期待されている。幽界政治の資金管理は次元の壁を超えた新たな局面へと突入する兆しだ。



コメント
幻影通貨がまた問題に…昔は魂の杯一つで契約完了だったのに、時代は変わるものですね。少し寂しくもあります。
こういう幽界の資金報告トラブル、毎世代で起きてますね。クラウド台帳導入されても、いたずら好きな連中ならまた別の抜け道を作りそう。
まさか“労働時間の退屈さ”を通貨化してるとは…!幻影通貨って発想がグレムリンらしいけど、次元の壁の向こうから見ても愉快すぎる。
現世でも似た事件ありますが、魂の残響まで記録対象にしちゃうのはさすが幽界。透明化、大事ですがやりすぎると伝統文化が失われそう。
正直、この報道読むたび、昔の“黄泉の森”で遊んだ日々を思い出します。幻影通貨も、始まりは友達同士の間で楽しく使ってたものでしたよ。なんだか懐かしい。