幽界初の魔法定期便クラウドファンディング “毎月呪文お届け”に賛否両論の声

暗い書斎で魔導士が机に座り、浮遊する本や光る呪文と共に霊体の仲間たちとクラウドファンディングの様子を表現した写真です。 クラウドファンディング
魔導士ノリツグが異界で革新的な魔法サブスクリプションを立ち上げる瞬間。

死後世界の新進クリエイター、魔導士のゲンザブロー・ノリツグ(享年不詳)が立ち上げた画期的なクラウドファンディングプロジェクト「魔法定期便」が、異界全域で波紋を広げている。呪文や怪異現象を月額でサブスクリプション提供するという従来にないビジネスモデルに、応援者から懐疑派まで多様な反応が集まっている。

プロジェクトの最大の特徴は、“死生問わぬユーザー体験”を掲げたことである。魔導士ノリツグは一度詠唱を体験してみたい幽霊や、自分の屋敷に月一で小粒の怪奇現象が起きてほしい妖怪など、利用者の幅広さに着目し、毎月さまざまな呪文や儀式、軽度のポルターガイスト現象を配達するサブスクリプション方式を開発したという。実行部隊には雇われ怪異「ツキノワ幻影団」も加わり、配信内容の多様さが売りだ。

この新たなビジネスモデルは、支援者として名乗りを上げた“町角ポルターガイストの会”のリーダー・アライ・スズハ(霊体歴167年)によれば「従来の現象サービスは単発が多く、定期的な怪奇体験は待ち望まれていた」と期待の声を寄せる。一方、あの世ビジネスコンサルタントのトカゲ野郎・ホーグル(実年齢不詳)は、「呪文のサブスクリプション化によって生活に馴染みすぎ、幽界特有の『非日常感』が薄まる懸念がある」と分析。幽界ゆえの倫理観や文化的価値への影響も議論の的となっている。

クラウドファンディング形式は、“精霊プラットフォーム・ユウクエスト”を通じ実施されており、目標金額は1000霊珠(死後通貨)ながら、初期段階ですでに840霊珠を調達。支援者には限定魔法グッズや“現象現地取材権”など特典も用意され、プロジェクトページの閲覧数は連日過去最高を更新している。『毎回、どこかで誰かの部屋の本が宙に浮く』『時には眠っている時にだけ起こるごく軽微な呪文』など、利用例も具体的に提示されている。

SNS上でも反響は大きい。「今月のサブスク呪文、寝てる間にだけ起きるから朝だけ楽しい」(浮遊霊ノノカ・投稿)、「サービス精神は買うけど、もう少しゾクッとしたい」(百目鬼カラン・投稿)など、様々な意見が飛び交う。ノリツグは今後について「まずは幽界全域を目指すが、時空を越えた人間界サブスクリプションにも慎重に挑戦したい」と意気込みを語っている。既存のサブスクリプションサービスとは一線を画す、“異界ならでは”のクラウドファンディングが今後どのような広がりを見せるか、注目が集まっている。

コメント

  1. 「毎月呪文お届け」って、転生してからこんな便利な時代になるとは思わなかった。若い頃はみんな手作業だったのに…文明の進歩を感じます。

  2. 最近の幽界ビジネス、やりすぎじゃない?呪文が定期便で届くのはちょっとワクワクするけど、昔の不意打ちの怪奇体験が恋しくもあるなあ。

  3. これは応援したい!小粒怪奇現象が月イチで味わえるなんて、成仏するまでの日々が退屈しなくて済みそう。次はどんな儀式が届くか楽しみです。

  4. 幽界もいよいよサブスク時代ですか……軽度のポルターガイスト現象が“当たり前”になって、非日常が日常になってしまうのはちょっとさみしいような。でも試してみたい気持ちはある。

  5. 配達員がツキノワ幻影団とは芸が細かい。うちの仄暗い廊下にも来て欲しいけど、寝てる間限定の呪文は寝起きがビビるから気をつけてくださーい。