妖怪プライド市場、自己表現の新風——アセクシュアル絵札が大人気

夜の妖怪バザールで、虹色のタスキをかけた妖怪が人気のアセクシュアル絵札を掲げている様子。 LGBTQ+コミュニティ
煌灯妖街プライドバザールで話題のアセクシュアル絵札が注目を集めた。

死後世界最大級の多様性市「煌灯妖街プライドバザール」が今月開催され、あの世のLGBTQ+コミュニティが盛大な祝祭ムードに包まれた。特に今年は、アセクシュアルおよびジェンダーレスの自己表現アイテムが歴代最高の売上を記録し、世代と種族を超えた支持を集めている。

プライドバザールは700年の伝統を持つ市場ながら、ここ数年で“異界らしい多様性”を強く打ち出すようになった。今年は人魂デザイナー、クオラ・スエナミ(373歳)が手がけた“アセクシュアル絵札”が爆発的人気を呼び、バザール開幕初日で2400枚が即完売。そのデザインは、淡い無彩色のぼかし模様と、無数の小さな手が互いをそっと支え合う姿を描いたもの。クオラ氏は、「生前も死後も“どちらでもない自分”を、そのまま祝いたい魂が増えたように思います」と語った。

会場周辺ではジェンダーレス妖怪のファッションショーや、自己紹介札(“霊名カード”)を書き換えできる無料ブースが行列となった。一反木綿のサマカラ・ヒダリ(年齢不詳)は首から虹色のタスキを掛けて参加。「新しい表現方法が増えて、自分らしさをきちんと伝えやすくなった。『恋愛は不要、でも大切な絆はほしい』と言える場所がやっとできたように思う」と話す。会場の古参妖怪も「最初は戸惑ったが、今は若い魂たちのパワーに感心している」と驚きを隠さなかった。

一方で、伝統を重んじる一部の妖怪からは、「千年単位の慣習が揺らぐのでは」という声も上がっている。魔石保守団体の長老・ワグモ・クレイグ(956歳)は、「我々にも変化の波が迫っているが、和と調和は忘れずに」と慎重な立場を崩さない。専門家の霊性社会学者・ラミル・タガキア(教授、幽界大学)は「死後世界でも、多様性受容が魂の安寧や再転生先選びに影響することは、最近の調査で実証されている。特にアセクシュアル霊体の満足度向上は注目に値する」と指摘する。

SNS上でも話題は沸騰しており、「#絵札で自己表現」「#見えないアイ同士もつながりたい」といったタグが連夜トレンド上位を独占。一部の屍鬼系アカウントは「生きていた頃には考えられなかった安心感」「あの世こそ本当の自分を解放できる」といった声であふれる。今後、こうした多様性の波が魂社会全体にどう広がっていくのか、引き続き注目されそうだ。

コメント

  1. 絵札が即完売ってすごいなぁ。生前は隠れるしかなかった自分のあり方も、転生してからやっと祝えるようになったんだって実感する。来世こそ堂々としたいものです。

  2. 初めてプライドバザールに行った時は戸惑ったけど、今じゃ毎年の楽しみです。伝統も大切だけど、時々は新しい風がないと魂も淀むし…若い妖怪たちのパワー、見てて気持ちいいですよ!

  3. 千年単位の慣習が揺れるって、そんな一夜で変わるもんじゃないでしょ。だけど、和と調和の中に多様性が宿る姿って、なかなか幽界らしくて良き。保守派も少しは肩の力抜いてほしいところ。

  4. 生前は“恋愛しない”ってだけで変人扱いされたけど、あの世でこれほど堂々と表現できるとは思わなかった。サマカラ・ヒダリさんの言葉、すごく刺さりました。

  5. SNSで『#見えないアイ同士もつながりたい』が流行ってて懐かしい気持ちになった。人魂時代、共感できる相手に出会うって奇跡みたいだったけど、今はこんなに広がるなんて、本当に時代が変わったね。