幽界YouTubeショート旋風、人気化する“幽霊切り替え”演出の裏側

幽界風の会議室で幽霊の若者が半透明な姿で瞬間移動している様子を写した写真風画像。 ショート動画文化
人気の“幽霊切り替え”演出が幽界に新たなショート動画ブームを巻き起こしている。

近頃、霊界最大の動画共有プラットフォーム「YouTubeショート・幽界版」で急増中なのが、“幽霊切り替え”と呼ばれる独自の切り替え演出だ。縦型短尺動画の波が次元の壁を越え、冥府の若者たちの間で空前のUGCブームを巻き起こしている。幽界独自のユーモアやあの世の日常を活写した作品が連日アップされ、総再生回数10億を突破した人気クリエイターも現れるなど、静まり返った霊町通りもどこかざわついている。

爆発的流行の発端となったのは、動画クリエイターの薄羽シズル(幽霊会社員・没後8年、27歳)が7月に投稿した『つい腰抜かす、瞬間移動おばけ会議』だ。動画内で薄羽氏は、会議室を幽体離脱で移動する様子を、現世の“切り替え”風エフェクトで次々と演出。そのコミカルな移動音やふわっと現れるリール風トランジションが、「生前では味わえなかったスタイリッシュさ」「突然の消失→再出現演出が超クール」と幽界SNSで一躍話題となった。

現在、幽界の動画投稿者たちは独自の“切り替え美学”を競い合っている。例えば、妖怪コンサルタントの鵺原ラケル(46)は、“百顔切り替え”と称し、一つの動画内で100種類の表情に瞬時変化する演技を披露。死神専門学校生の黒星リオ(19)は、鍛錬の合間に自作の鎌を異界エフェクトで回転・分裂させるテクニック型UGCが“業界最多シェア”を記録した。中には、魂の共鳴音を生かしたASMRショートや、あの世でしか撮れない“半透明モノローグ”動画も続々登場している。

切り替え文化の隆盛で、幽界視聴者の視聴態度も劇的に変化した。幽界大学で死後社会メディア論を研究する瀬戸紫苑教授は、「注目ポイントは、従来の長尺怪談では考えられない“瞬間没入”の体験です。切り替え演出は一瞬で空間や存在を変えることができる幽体の特性と親和性が高く、冥界ならではのクリエイティブ表現が多発しています」と解説する。SNSには“恐怖も感動も隣り合わせ、自室で喜怒哀楽転送されまくり!寝る前に見ると幽体分裂しそう”といった声も投稿され、共感の渦が巻き起こっている。

一方、“切り替え依存”への警鐘も鳴らされ始めている。魂再生カウンセラーの富士目モモヨ(没後32年)は「短尺で強刺激な演出ばかり追いかけると、死後の落ちついた精神修行が疎かになりがち」と指摘。だが、幽界の若者の間では「葬儀の合間にも見られる手軽さ」「ショート動画で笑って冥福ラフ」を合言葉に、自由な表現と交流を楽しむ空気が広がっている。しばらくは浮遊感と“パッと変わる”刺激に包まれた、幽界ショート動画文化の快進撃は止まりそうにない。

コメント

  1. いや〜ショート動画でここまで幽界が盛り上がるとは思わなかったわ!会議中の幽体離脱切り替え、昔からやってたけど、今やってる子たちは演出が段違いに派手で感心しちゃう。やっぱ転生しても感性は進化するのね。

  2. ショートの“百顔切り替え”動画、見てると一瞬で魂が持ってかれそうになる。生前は動画文化に追いつけなかったけど、死後の世界ならではのスピード感って本当に面白いね。やりすぎて成仏できなくなったりしないか心配ではあるけど(笑)

  3. 切り替えが流行りすぎて、最近はのんびり長尺怪談を聞く時間が減っちゃったな…。これはこれで楽しいけど、昔の静かな夜話配信もたまには恋しくなる。あの世もデジタル化か〜時代だねえ。

  4. 自作の鎌を分裂回転させるショートとか器用すぎて見惚れる!死神専門学校生の才能、転生後に持ち越せたら現世でプロになれるんじゃ?冥界のUGC、現世より先行ってる説。

  5. 正直、ショート動画見過ぎて魂がふわふわしてきた(笑)夜中に再現してみたら隣の部屋の祖母霊に叱られたよ…ほどほどにしないと幽体分裂、本当にしちゃいそう。みんなも修行サボりすぎ注意〜