死後界の名水「魂河」に微小プラスチック流入 龍の調査団と死神市民が廃棄法改正へ向け大集会

虹色に光る粒子が浮かぶ魂河のほとりで、龍や死神たちが集まる集会の様子を写した写真風画像。 マイクロプラスチック問題
魂河の環境汚染に抗議するため、異種の住民たちが大集会を開いた。

あの世でも名高い清流「魂河(たまがわ)」にて、微小プラスチック片の異常流入が確認され、精霊や妖怪たちを巻き込んだ異例の環境問題となっている。発端は河川近くの骨壺再生工場からの廃棄物とみられ、死神市民団や長寿を誇る龍の一族から法規制見直しを求める声が急速に高まっている。

魂河は、全幽界の飲用水・沐浴用水の源として親しまれてきた。また、未練を残した魂が流され浄化されるというスピリチュアルな重要性も担っており、あの世住民の約6割が直接利用している。この川で最近、数日間にわたって虹色に光る粒子が観察された。元精霊医学会のクルト・ミヒャエル氏(実体年齢403)が調査したところ、『発がん性を持つ魂素分解性プラスチック』の混入が明らかになったという。

調査を主導したのは、龍族有志会のズイホウ・ウンリュウ(年齢不詳)。彼女が設立した『魂河守護ネットワーク』は、羽根を持つ精霊、耳長族の廃棄物技師、夜行性の小鬼学生ら80人超を巻き込み、4日で400本の水質サンプルを収集した。『魂の目で光る粒が1日で倍増した。妖力フィルターも通過する規模だ。悠久の水系に、死後も人間界のごみ問題が根を下ろしている証拠』とズイホウさんは語る。

これを受けて、死神四等書記官協会が主催する大規模デモが昨夜、あの世中央庁舎前で開かれた。参加者によると、法規制を定めた“廃棄循環条例”が数百年前のパラメータで凍結されていたため、最新型の骨壺プラスチック分解技術が網羅されていなかった。「もう川もあの世も限界!法律変えねば、転生台帳も汚染される」と熱弁したのは、吸血鬼環境アナリストのシノダ・グワン(354)。SNS「あの世Lime」でもハッシュタグ#魂河ピュアを付けた抗議動画が10万回拡散された。

魂河の現状を憂慮し、あの世環境省は緊急会議を招集。龍の族長・老練鬼火議員・各種妖怪弁護士らが集結し、発がん性微粒子の回収、骨壺リサイクル基準の最高強化案が可決見通しとなっている。一方、一部の妖精住民からは『川底のミクロ幽体生物が絶滅の危機』『魂流し祭が中止になれば百年ぶりの大損失』など、文化面への悪影響も懸念される。今後、死後界におけるごみ問題の抜本的対策と、異界の持続可能な再生体系の構築が求められている。

コメント

  1. 魂河が汚れるなんて衝撃です…。あの世に来て初めて浄化された感覚を味わったあの水が、そんな危険に晒されているなんて。転生待ちの友達にも教えてあげます。みんなで守りましょう!

  2. 人間界のごみが死後界でも影響するとは…。骨壺工場の規制、もっと早くアップデートしてほしかった。魂河のミクロ幽体生物、昔よく釣って遊んだのに、絶滅なんてしたら本当に寂しいです。

  3. デモが起きるのも当然かと。わしら死神の仕事も魂の清流あってこそ。魂台帳まで汚染されたら成仏も転生も大混乱になるぞ…。条例は石板だけ残して放置、我が会議もサボり気味、全部あの世あるあるだな。

  4. 魂河ピュア運動、参加してます!龍のお姉様たちのサンプル調査、尊敬です。でも川底の生き物が消えたら、魂流し祭の花丸踊りもできなくなる…。文化も自然も両方大事にして対策してほしいです。

  5. 幽界でもプラごみ問題とは情けない…。でも、数世紀も法律凍結って、うちの猫屋敷の転生帳簿より古いかも。議員や四等書記官、たまには真面目に働いて魂河をウルトラクリーンに戻してください!