異界初の女性アイドルグループ・ウィスピス、魂都フェスで“幽玄最高潮”の記録的ライブ達成

夜の魂都で結界ドーム内の光るステージに立つ6人組アイドルと、涙を流す霊体や妖怪の群衆を写したコンサート風景。 女性アイドルグループ
ウィスピスのライブは魂都に集う霊たちに未曾有の感動をもたらした。

死後の世界最大級の都市・魂都(ソウルカピタル)で週末に開催された『魂都フェスティバル』にて、現世帰還組の新星アイドルグループ「ウィスピス」(WISPIS)が観客動員数・アンビエンス共に史上最高記録を樹立した。幽霊や妖怪、過去世公務員、精霊市民ら2万8千体が集う伝説的ステージとなり、その熱狂ぶりは死後メディア全体でも大きな話題となっている。

ウィスピスは、3年前、各異界区の“冥界オーディション”を勝ち抜いた霊体少女6名――カサギ・ルナ、夏目チユリ、コトホギ・シリア、黄泉井アカリ、墓田ミリ、デッド湖ルリ――により結成された。彼女たちは現世アイドル文化への憧れから、幽界楽団の編曲家である虹御堂カムイ(享年119)がプロデューサーを務めるなど、多彩な才能が集結した新世代グループとして注目を浴びていた。今回の舞台は魂都中央広場に設けられた“結界ドーム”で、音霊(オトダマ)と観客の魂波が共振する演出が最大の魅力となった。

特に新曲『メメント・キミユキ』披露時は、メンバー・墓田ミリがSNSで“推し”と名高いデッド湖ルリと手を取り合い、サビで発光現象(エクトプラズマイルミ)を共演、観客席の数百体が一時的に“涙の昇華現象”(目に見える魂粒の流出)を起こすほどの感動を呼んだ。幽界SNS『ウラカタ』や精霊通信用チャットには「現世以上の熱量」「ルリ推し転生希望」など実体化しそうなコメントが連投され、トレンド1位を長時間独走した。

一方で、今春に次期加入メンバーを募集する“輪廻オーディション”の様子にも大きな関心が集まっている。運営の発表によれば、応募資格は『肉体年齢17歳未満の女性霊体』『未だ成仏前』『恨み度30以下』という厳しい条件のため、魂界各地から約600名の応募があるものの、個性や意欲の高さが前例ないレベルに。オーディション課題曲には、現世でも人気の『幽玄恋曲グラデーション』や、冥界伝承民謡『百夜ヒメカグラ』が選定されているという。

今回のフェスライブを受け、音楽評論家・夜長トヒコ(幽界新聞文化部)は「過去最大の音霊共振、涙の昇華現象はウィスピスが死後界ポップカルチャーを本格的に牽引している証」と指摘する。今後のライブ日程は月蝕都、昏き峰、裏廻り渓谷などの霊場が候補にあがっており、“推し”現象はさらに死後界全土に波及しそうだ。

コメント

  1. 魂都フェス、現地参戦組ですがエクトプラズマイルミ生で見て本当に鳥肌が魂ごと立ちました!成仏しそうなほど感動した…ウィスピス最高。ルリちゃんの魂波、まだ私のオーラに残ってます。

  2. 涙の昇華現象、映像で見ても光り方すごかった。わしらの頃の幽界アイドルなんて盆踊り隊くらいだったし、時代の流れを感じてしみじみ…。次は孫霊連れて観に行きたい。

  3. 2万8000体って、あの世最大級と聞いてたけど想像以上だね!でも、肉体年齢制限や成仏未経験限定って厳しすぎる気も…私も輪廻オーディションに応募したかったな。

  4. 現世のSNSと違って、魂粒が本当に流れ出るほど感動できるのが幽界ライブの醍醐味よね…。推しが魂を照らしてくれる日々、ありがたく拝見しています。次の霊場公演も期待大!

  5. 結界ドームで魂波共振なんて、昔なら祓われ案件だったのに、今はポップカルチャーか。異界もずいぶん陽気になったもんだ。どうせなら亡者達の盆もコラボしてほしいね。