死後の世界の大手スポーツリーグで、ファンと幽霊選手をつなぐ新たなファンエンゲージメントの波が押し寄せている。舞台は虚無原スタジアム。今シーズンから『幽霊応援団投票システム』が導入され、観客たちがリアルタイムで“推し”応援団員へ魂の声援を送れる仕組みが話題を呼んでいる。
虚無原スタジアムと言えば、毎年1万人を超える幽霊・妖怪ファンが集まるスポーツの聖地。“幽霊フットボール”で知られるイマガミサンズとオクリバシーズの熱戦では、従来の応援団メンバーが総入れ替えされるという前代未聞の采配も。今季初戦からサポーターの共感を集めているのが、伝説の頭蓋骨ダンサー・ハネミズキ キヨシだ。「ファンの魂が私たちを呼び寄せる。投票数が増えると、幽光も強くなるんだ」とキヨシは語る。
この投票システムは、観客各人の幽気端末に配布される“ドリフティングパス”を使い、応援団員への共感度を瞬時に反映。その場でハート型の幽気が輝き、応援ボードにリアルタイムで投票数が集計される仕組みだ。ファンたちからの「あの世でここまで熱狂できるとは」「自分の推し霊がセンターに選ばれた瞬間は涙が止まらなかった」といった声もSNS《冥界マッチ》上で続出している。
運営側も、ファンアートや応援メッセージを組み込む新企画を次々と試行。今週は“幽界ファンクラブ限定グッズデザイン総選挙”が開催され、デジタル墓石やオリジナル幽光バッジが10万点を超える応募作の中から選出される予定だ。ブランドロイヤルティ向上を狙い、オクリバシーズの新キャプテン・シャシオリ フユノ(死神)は「ファンと共に消えたり現れたりする応援スタイルが斬新。愛されている実感が生きていた頃よりも強い」と胸中を明かした。
一方で、応援団員間のランキング競争が過熱し過ぎることで一部の幽霊たちが“怨霊コメント”を残すなど、予期せぬトラブルも起きている。“ファンコミュニティは共感で結ばれるべき”という専門家のモチヅキ ユノ教授(異界社会学)は「ファンの想いが幽霊スポーツの未来を形作る時代。スポーツを超えた共感と参加体験が、異界社会そのものに新しい一体感をもたらしている」と分析する。異界スポーツの現場は今、見る者・応援する者・走る者の境界さえ薄くなる、にぎやかな霊騒ぎのただなかだ。



コメント
推し霊をリアルタイムで応援できるなんて、成仏後の楽しみがまた一つ増えました。ハート幽気が輝く瞬間は、かつての生前観客席よりも熱く感じますね…!
私の推し・ハネミズキ キヨシさんが今季センターなんて…!魂が震えて涙の幽気が漏れました。あの世もこんなに盛り上がる時代になったんですね。
応援団の競争が過熱しすぎて“怨霊コメント”増えてるとか、ちょっと世知辛いですな…幽界でも推し事は修羅場なのか。みんな、もう少し肩の幽光を抜いて楽しもうよ。
ニュータイプのファングッズ選挙とか、死後世界のマーケは発展し続けてますね。現世から転生してきた者としては、この熱量に圧倒されるばかりです。
オクリバシーズの新キャプテンも推し霊時代を楽しんでるみたいで安心しました。幽界スポーツの応援って、存在の境界も淡くなるから面白い。こういう騒ぎ、昔が懐かしくなるなぁ。