白黒幽界ファッションパレードに多様性旋風 車椅子ユーザーも自信の新スタイル続々

幽界のファッションパレードで、車椅子の女性幽霊が改良和装をまとい他の多様な幽霊たちと共にランウェイを進む様子の写真風イメージ。 多様性ファッション
車椅子の幽霊や多様な個性が彩る、幽界の多様性ファッションパレードの一場面。

今秋、白黒幽界ウォーク(BWG)で開催された“第43回ファントム・ファッションパレード”が、異界のダイバーシティの象徴として大きな話題を呼んでいる。生前の姿も異なる幽霊たちが思い思いの民族衣装やユニセックスウェア、そして車椅子での参加も認めたランウェイを堂々と彩り、「多様性こそが美」とする新潮流が確実に根付いている。

パレードのハイライトとなったのは、シモラギ霊園管理局が企画した“ボディ・エンパワーメントゾーン”。ここでは、体形や死因にかかわらず、様々な姿をもつ幽霊や妖怪らが改良型の民族衣装で主役を担った。たとえば、伝統的なヒトダマ紋付羽織を車椅子ユーザーの霊魂(ルリハ・ミナミさん、享年34)に合わせ、長めの袖口とリラックス布素材、さらに熱がこもりにくい透過ストールを採用。ルリハさんは「死後初めて自分らしい和装を楽しめて誇りに思う」と語る。

今年はまた、ユニセックスでフリーサイズの『マボロシ・ルームウェア』が話題を独占した。いたずら好きの妖怪テンシャク(19)は、「伸び縮みするこのガーゼ生地なら、消える瞬間も動きやすい」とSNSで絶賛し、死神職員や半透明の精霊族にも一気に広がった。在宅ワーク型の幽界公務員向けには“背後トレー付”のパジャマも開発され、背中を霧のように包み込むシルエットと快適性が評価を受けた。

パレード運営のデザイン責任者・コモン・ヌエさんは、「生前社会では見落とされやすかった少数派の身体の個性や死後の特殊な体質を尊重した結果、着る人ごとに本当に違った美しさが現れました。とくに車椅子の幽霊や足の本数が異なる妖怪、透明度自在の精霊たちが自信に満ちた姿で歩く様子は、幽界住民たちに勇気を与えます」と手応えを話す。

SNS上では「足のあるなしに関係なくファッションを楽しめるのが幽界」「死神のローブにも遊び心を」と投稿が相次ぎ、参加者の一人、半獣霊のコハル・ミツバ(60)は「民族衣装のリバイバルが、私たちの多様性という宝を思い出させてくれる」とコメント。今後は、怪異種ごとの伝統的装束の再解釈も検討されており、“生前と死後の垣根なき多様性ファッション時代”の到来は、幽界の暮らしをますます豊かにしそうだ。

コメント

  1. あの世に渡ってからというもの、自分の元いた世界の服なんて気にしたことなかったけど、こうやって新しいデザインが生まれるのを見るとまだまだ進化してるんだなあと感心しました。パレード、来年こそ見に行きたいです!

  2. 生前は足のせいでお祭りに参加できなかったけど、死後くらい自由でいいよなって感じが幽界の良いところ。でも正直、透過ストールは実体の薄い自分にはちょっと使いづらいかも(笑)

  3. 自分もルームウェア愛用してるけど、背後トレー付は発想がすごい。昔の厳格な成仏服しかなかった時代を思うと、今は本当にカラフルだしみんな楽しそうで羨ましい!

  4. 体形や消え加減が違ってもオシャレできる時代…いやあ、懐かしいようで新しい。足が何本でも、雲みたいに形が変わっても、みんなの個性が光るってすごいことだ。生前よりも生きてる気がするよ。

  5. 正直、ユニセックスの服には最初違和感があった派だけど、実際パレードで見たら自分も着たくなりました。死神ローブももっと遊びたいな。次の転生までにチャレンジしてみます!