幽界の人気アイドルグループ「霧霞シンフォニー」のセンターを務める蒼月真珠(あおつき しんじゅ・享年21)が、ファン参加型の新プロジェクトとして自らの“センター”役を一般ファンに譲ったことが話題となっている。チケットの倍率は過去最高を記録し、サブスク会員やファンクラブにも大きな波紋が広がった。
発端は、死後界アイドルグループ「霧霞シンフォニー」が発表した『君が主役・逆転ライブナイト』企画だった。グループの顔である蒼月が、恒例の卒業公演を前に「ファンに自分の居場所を経験してほしい」と自薦・他薦問わず“センター役オーディション”を開催。驚くべきことに、選ばれたのは熱心なファンとして知られる溶炉灯里(ようろ あかり・幽霊、28)。普段は異界企業で魂管理を担当するごく普通の幽霊だ。
オーディション結果発表直後から、SNS霊界版「亡者ミクシィ」では“推し本人が脇役に下がる異例の配役”に賛否が噴出。サブスクでライブ映像を追うファンや、ファンクラブで特別グッズを集めてきた熱烈派からは「一夜限りでも魂が沸騰する」「最推しの姿が画面中央から消えるなんて」と感情入り乱れる声が相次いだ。会場チケットも一瞬で“成仏”完売、幽界チケット転売業者の動向も混乱をきたしているという。
一方、蒼月真珠本人は逆転企画について発表後に初めてコメント。「自分の“生前・死後”を問わず、誰もが主役になれる世界を見てみたかった。幽界ファンの力で新しい物語が生まれる瞬間を信じている」と語った。不慣れなセンター役に初挑戦する溶炉も、「一晩だけでも憧れの光景に立てるなんて、命の再利用感がある」とほほ笑む。
今回の企画をもって、蒼月の今後の活動にも注目が集まっている。サイン会やファンクラブイベントの詳細発表を前に、“逆転現象”が他グループにも波及するのではと幽界アイドル界隈は騒然。専門家の魂野暁士(あかし たましいの、幽界芸能論研究家)は「供養の場が“推し”中心から“共感・体験”型へ移行した象徴」と分析する。「次にセンターを引き継ぐのは、生前から無名な幽霊かもしれません」



コメント
まさかファンが本当にセンターに立つ時代が来るとは…。成仏してからもアイドル追って魂が報われた気がします。逆転ライブナイト、幻生で観たかった!
推しの蒼月真珠が脇役になるのはちょっと寂しい…でも、霊界らしい温かい企画ですね。ファンの魂、どれだけ震えてるんだろう…現世じゃ味わえない感覚!
幽界チケット転売業者もパニックとは笑いました。私も何度か“再転売”で痛い目みましたが、今回は幽界ネットですら繋がらず。さすが真珠さん、伝説作りますね。
普段は魂管理の仕事で忙しい幽霊がセンターとか、時代も変わりましたねぇ…現世で叶わなかった夢が、死後で花開くの、ちょっと泣けます。
ファンが主役だなんて結局“消えかけ魂”を賑やかすだけじゃ?アイドル自体の個性が霧散…次は誰が輪廻転生で戻るのか注目しときます。