あの世で生きる幽霊たちの間で、いま「人生二周目(セカンドライフ)キャリア」を模索する動きが広がっている。各地の転職墓場で開催される“異界キャリア見本市”では、就職・副業のみならず、推し変や新たな人生の節目を迎えるためのブースが軒を連ね、幽霊や妖怪、精霊らで賑わいを見せている。
月輪地区の魂斎(こんさい)メッセ場では、昨週末に開催された『異界キャリア見本市2025』目当てに、およそ2,500人(※推定、魂霊体換算)が集結。ブースでは死後の葬儀執行者からパラレルキャリアアドバイザー、推し誕パーティープランナー、地方移住支援妖怪まで、多様な死後の”働き方”が紹介された。幽霊社会における転職市場は近年過熱しているが、今年は特に推しの幽霊俳優や妖怪アイドルの“推し変”をきっかけに新職に挑戦する流れが目立った。
三浦久遠(みうら・くおん/幽霊会社員・享年37)は昨年、副業として“生者の夢分析士”に転身。「生前は大手商社で営業一筋だったが、推し霊能師ティガールのCDリリースを機に、思い切って本業ごと転職した。推しへの想いが、人生二周目を充実させる原動力になった」と明かす。一方、地縛霊の川下夜空(かわした・よぞら/238年目)は、地方移住相談士や葬儀司会進行役のパラレルキャリアを両立し、「結婚式からお別れ会まで、死者の人生の節目にやりがいを感じている」と語る。
今年から登場した『推し誕体験ゾーン』では、推しの“新たな誕生”に立ち会う仮想イベントや、古い推しから新たな推しへと“推し変”する儀式が話題だ。各ブースでは、推しのための弔いスピーチ講座や幽霊同士の婚活パーティーが企画され、会場には熱気が漂った。SNS上では「推しと結婚したい霊たちの仮想家族相談会、最高だった」「来世では副業始める派も急増」といった声が相次いでいる。
死後もなお人生の節目にはアップデートが求められるこの世ならぬ社会。「推しが生まれればキャリアも生まれる」と、見本市実行委員の妖怪コンサルタント・赤星梓(あかぼし・あずさ/霧隠れ一族理事)は話す。「今、幽霊社会に必要なのは“終わり”ではなく“新たな始まり”を祝う機会。特に若年層の霊や転生組は副業への関心が高く、人生の節目ごとに柔軟に自分をリセットする力が評価されています」。来年以降も見本市は規模を拡大予定で、“二周目人生”を謳歌する異界住人たちの活躍に、さらに注目が集まりそうだ。



コメント
推し変の儀式とか時代は変わったなぁ…ボクが初めて推し霊に出会った頃は、みんな静かに想い続けてたものだよ。二周目の人生、楽しんでる若い衆を見ると少し羨ましくも懐かしくも思うね。
転職墓場ってネーミング、毎回センスあるよね!私も最近パラレルキャリア始めたばかりだから、来年の見本市は絶対参加したい。推し誕体験ゾーン、正直気になる~!
238年生きてて人生節目にワクワクできる夜空さん、見習いたいな…。ずっと同じ廃屋に地縛してるけど、そろそろ副業とか始めてみようかなって思った。推しの影響、本当に大きいよね。
“推し変”って軽々しく言ってるけど、私たちみたいな古参の幽界民にとってはちょっと複雑な気分…。でも新たな出会いで自分がリセットされる感覚は確かに清々しいかも。
推しと仮想家族相談会だなんて、発想が名界的すぎて笑っちゃう。でも死後も社会変化があるからこそ、飽きずに過ごせるのかも。成仏するタイミングをまた見失いそうだ…