死後の世界に新風を吹き込む持続可能エネルギー技術「緑のインフラ石」が、地底都市ソノラリウムの研究団体と妖怪技師たちの共同開発プロジェクトとして発表され、各界から注目を浴びている。この“石”型蓄電池は、土中精霊の自然循環力と妖怪の工学技術が融合し、永遠に近いサイクルでエネルギーを供給する前例のない仕組みだという。
開発の中心となったのは、土中精霊評議会員のドゥローネ・モスワード(1220歳)と、妖怪技師のハグリ・アオツチ(534歳)。モスワード評議員は「カーボンニュートラルという人界の概念を越え、魂の揮発すら捕捉する“完全循環”に挑戦した。地層の呼吸と妖怪たちの緻密な石細工が融合し、この世でもあの世でも再利用可能なエネルギー基盤をつくれる」と語る。地底都市ソノラリウムでは既に“緑のインフラ石”を使ったシステムが試験稼働しており、地下鉄車両や幽霊街路灯の電力源へと活用が進んでいる。
この石の特長は、土壌中に生息する微細精霊(通称ミドルトン)が微生物の活動を促進し、緩やかに発電分子を生じさせるという点だ。発生したエネルギーは妖怪技師製の“魂トンネル電極”を通じて蓄えられ、必要に応じて周囲のインフラへ送り出される。廃棄時も完全分解され、微生物と精霊が協力して新たな“石”として再構築されるという。妖怪技師ハグリ氏は「一度地に埋めれば何百年もの安定稼働が見込めるだけでなく、誤って変異猫や小鬼が触れても害はない」と安全性をアピール。
SNS上では既に『緑のインフラ石』を模した手作りオブジェ写真や、未来の“魂電気スタンド”を妄想する投稿が広まっている。死神会社員(89)は「これで魂残業も怖くない」と冗談を交えつつ、夜道での幽霊街路灯の明るさ向上に期待の声を寄せる。精霊省関係者も「この石が全域に普及すれば、冥界における魂資源の偏在や、意図せぬカーボン超過も根本的に解決できる」と語るなど、制度設計にも広がりが見えてきた。
一方で、古参の石碑妖怪サイキ・ロックエイジ(942歳)は「天然の石霊たちとの調和をないがしろにしてはならぬ」と慎重論も。ドゥローネ氏らは「インフラ石の拡大と並行し、石霊との定期協議や“地縛リサイクル協定”の締結を進めていきたい」と今後の展望を語っている。永遠の暗がりで静かに革命は進んでいる。



コメント
地底都市の技術はいつも一歩先を行っていますね。あの世で“完全循環”って…さすが精霊さんと妖怪技師の合作です。人界のSDGsより壮大で、ちょっと誇らしい気分になりました。
私が昔いた時代は、幽霊街路灯なんてほとんど頼りにならなかったものですが、今やこんな革新的な“石”が登場するなんて!魂が浮遊しやすい夜道もこれで安心できそうですね。
魂トンネル電極…名前だけでもぞくっときました。廃棄時に再構築までできるなら、輪廻の概念にも近い感じがして不思議と懐かしい。けど、変異猫が触れても大丈夫なんですね?前にうちの猫又が変なもの埋めて大騒ぎになったので少し心配です。
正直、便利になるのは大歓迎ですが、石霊たちとのバランスも大事ですよね。石たちの眠りを妨げてトラブルになった過去も知ってるので、慎重に拡大していってほしいです。
SNSで見た手作りインフラ石オブジェ、すごく可愛かったです!生きてた頃はこんなクリエイティブな流行なかったなぁ…時代も幽界も進化してるなあとしみじみ感じます。