死後の世界の高層マンション群『空中楼閣タワーズ』の管理組合で、住民たちによる異界版iDeCo制度の導入をめぐる議論が白熱している。元管理人で現幽霊のオサナイ・カケル氏(享年64)が中心となり運用プランを提案したが、“成仏積立”と呼ばれる新資産形成の手数料体系に不満を訴える幽霊住民も多く、波紋が広がっている。
発端は、現世と同様に資産格差問題が深刻化している“霊界不動産”業界で、新たな投資手段としてiDeCo(異界版個人霊的年金制度)が注目されたことだ。オサナイ氏は「生前現世で貯蓄ゼロ世帯の増加に苦しんでいたため、死後ぐらいは安心して成仏の階段を上りたい」と制度を強く推進。しかし、組合住民のウツロギ・サチコさん(幽霊歴32年)は「入金ごとに“現世送金料”が必要なのは納得できない。手数料が積み重なれば成仏が遠のく」と疑問を呈する。
さらに議論の中心となっているのが、不動産投資型の“未来物件ファンド”だ。幽界では所有権の概念が曖昧なため、実体を持たない物件への投資が盛ん。だが最近、“幽玄ビルディング投資事業組合”の破綻が報じられるなど、リスク説明の不十分さが問題視されている。大手霊界証券『アストラルキャピタル』の霊界資産アドバイザー、カゲヤナギ・エイイチロウ氏は「透明な情報開示が不可欠。とくにiDeCo経由の不動産投資では、幽霊の生活防衛意識が高い分、過度な手数料や“消費霊化リスク”には警鐘を鳴らす必要がある」と指摘する。
SNS上でも「亡者ローン組んだら一生返済?」「成仏ポイントでキャッシュバックはないの?」などと、『空中楼閣タワーズ』住民や異界の若年幽霊層からさまざまな声が。ある若手妖怪(20代)は「僕たちには年金だけでなく成仏資金の効率運用も大事。手数料が不透明なら旧時代の“下取り成仏型”に戻したい」と話す。
現在、管理組合では第三者委員会による手数料算定の見直しと、幽界特有の資産保護策を検討中。住民大会は来月開催予定で、異界にも押し寄せる資産運用ブームの中、幽霊や妖怪たちの老後――いや“成仏前夜”の暮らし方が問われている。



コメント
成仏積立、世知辛いですねえ…生前も死後も手数料に縛られるなんて思いもしませんでした。管理組合さん、もう少し住民思いの運用をお願いします…
私は昔、“下取り成仏型”でしたが、若い幽霊たちは資産運用に前向きで感心します。でも、幽玄ビルディング投資の破綻もあったし、今回みたいな新制度って本当に安全なんでしょうか。
手数料取られすぎると、成仏への階段どころか、冥府のエレベーターに永遠に乗れない気がします。せめて幽界ポイントくらい貯まる仕組みがほしいです(笑)
こういう制度は昔はなかった。成仏も自力でやってた時代が懐かしいよ。今の若い霊たちは運用とかポイントとか、ややこしくて目が回るなあ。
資産運用ブーム、ついにあの世まで…!でも情報の透明性だけはしっかり守ってほしいです。消費霊化リスクとか、幽界でも自己責任じゃ済まないんですから。