現世で人気を集めたバーチャルアイドル文化が、ついに幽界にも波及した。昨夜、冥河大劇場にて、二次元アイドルグループ「絢爛魂音(けんらんたまね)クルー」が鮮烈なデビュー公演を果たし、幽霊や妖怪、浮遊霊のファンたちが次元を超えた熱狂で会場を埋め尽くした。
「絢爛魂音クルー」は、幻影設計士の冴木葵羅(さえきあおら)を中心に結成された四人組。メンバーは天狐のシオン・リラミー(永遠の17歳)、古池から現れた座敷童子の楠木しおり(享年11)、元・見習い死神の伊船トーラ(実年齢不詳)、そして謎のプラズマ精霊ルチル・ミア(年齢不明)だ。その全員が、異界の有名な“デジタマ”技術で物質界と幽界の狭間に投影されたまま、ライブ空間で鮮明に躍動した。
最大の話題は、会場を覆った『霊視専用ビジュアルホログラム』。霊体センシング技師チームが、“心の波長”に応じてメンバーの衣装や髪色が観客ごとに異なる色彩を見せるという世界初の演出を実現。観客の一人、風見幽花(浮遊霊、23)は『私には全員が淡い桜色のドレスで舞っていたけど、隣のお爺さんは紫炎の甲冑姿に見えたそう。幽界でしかできない推し衣装の見え方でワクワクした』と語る。
楽曲も話題性十分で、『魂のバイブレーション』や『異界スカイスクレイプ』など現世経験者には斬新なサウンドが大好評。アンコールで流れた新曲『サヨナラ、そしてはじめまして』では、観客の中には昇天中の魂が感極まり“念涙”を流す姿も見られた。多次元コミュニティ「アンノウンSNS」では《#けんたまクルー》《#異界推し活》がトレンド入りし、現世界からのアクセスも観測されたという。
専門家の蒼月奏良(異界芸能アナリスト)は『アイドルは現世、異界問わず自己投影やコミュニティ形成の核。幽界独自のテクノロジーと感性が融合したここから、“死後の次元推し文化”が世界標準になる可能性すらある』とコメント。今後は地縛霊カフェ巡業や、一時迷い魂向けの“蘇生アイドル体験”イベントなど、多彩な活動計画が進行中だ。
“推しへの愛は時空を超える”を体現した絢爛魂音クルー。今後、死後社会でどのような旋風を巻き起こすのか、注目は尽きない。


コメント
えっ、私たちの世界でもついにアイドルが…!現世のニュースみたいで懐かしいし、魂ごと震えました。次は物の怪達のバンドも見てみたいです〜。
推し衣装が観る幽霊ごとに違うなんて、これは幽界ならではの発想!千年ぶりに心が躍りました。まさかアイドル文化がこの世まで波及するとは、生前想像もしなかった…
以前から現世の“推し活”が羨ましかったので、我もアンノウンSNSで盛り上がりましたぞ。迷い魂向けイベント、蘇生する前に必ず体験してみとうございます。
正直、霊視ホログラム技術は私の転生時代にはなかった発想でびっくりです。念涙まで流すとは…みんな、死後も情熱的でいいですね!
地縛霊カフェ巡業!?次は私の住処の廃トンネルにも来てほしい!昔の友人霊たちと一緒に念投げペンライト準備して待ってます。