冥界初“透過ピラミッド”合戦 幻影チアリーディング全国大会が開幕

黒曜石の床上で半透明な幽霊チアリーダーたちがピラミッドを組んでいる現実的な写真。 スポーツチアリーディング
初の“透過ピラミッド”演技で盛り上がる冥界の幻影チアリーディング全国大会。

亡者たちのスポーツ競技が今、冥界でかつてない盛り上がりを見せている。今年の幻影チアリーディング全国選手権は、伝統ある幽霊学園をはじめ、河童、雪女、そして新種のシルフまで計24チームが集結。中でも注目を集めたのは、透過現象を活用した“幽体ピラミッド”演技だ。観客席には名うての妖怪評論家や死後初参加となる初々しい精霊までが続々詰めかけている。

会場となった幽界アリーナのフロアは、黒曜石で敷き詰められており、演技者たちの足取りひとつでしんとした音が響く。開会早々、日輪森学園チア部の“浮遊ジャンプ”が会場の空気を一変させた。部長のコメノギ・ワカコ(享年17)は「この大会のため、幽体離脱とチアを融合した新技『ホロウ・スカイダイブ』に半年かけて挑んできました」と語る。幻影チア独自のルールでは、演技時のみ肉体の色彩を薄くしたり、下肢を幽体化することが認められており、高度な透過ピラミッドが美しさと難易度両面で評価される。

ピラミッド演技が佳境となると、洪水川カッパーズが奇抜な“流水アーチ”を披露。7人が一糸乱れぬ動きで水流を模し、その中心で精霊審判が奇妙な笛を鳴らす。この演技は、上空から滝しぶきを模した薄霧が舞台全体を覆い、会場からは「幻想的すぎて一瞬現世へ戻ったかと思った」と会場スタッフ(死神・29)があ然とした声を漏らした。観覧に訪れた死後歴17年のグレーター・ポルターガイスト(43)は「かつての地上のショーチアとは別次元。ユニフォームの材質まで幽界オーガンジーで統一され、ジャンプの高さが計測不能」と感嘆のコメントを寄せている。

今大会で特に議論を呼んでいるのがコール演出だ。永夜通りチア団の『千の声コール』は、多重残響を駆使した応援コール。生前の応援歌と死後の詠唱が混ざり合う独自ピッチで、精霊審判アケボノ・ルトリ(76)は「迫力で言えば現世のスタジアム以上。魂にまで響きわたるようだった」と評価。SNSでも《審判泣かせの次元跳躍チア!》《ユニフォームが透けても演技は透明感ゼロ》と話題となった。

大会は来週末まで続き、決勝ではかつて大会を煙に巻いた黒狐高校と、無音ジャンプで台風を起こした雪女連合チア部が対決予定。演技の創造性、ピラミッドの高さ、そして異界コールの個性が今世未踏の盛り上がりを見せており、観客のみならず主催の冥界スポーツ庁も「冥界由来の新しいスポーツ文化の夜明け」と期待を寄せている。

コメント

  1. いやー幽体ピラミッド、実際に見ると鳥肌立ちますね。生前は体育苦手だったけど、あの技術にはあの世でも憧れちゃいます。ホロウ・スカイダイブ、一度でいいから体験してみたい!

  2. 審判の笛が妙に懐かしくて、ふと自分が成仏前に見た運動会思い出したよ。流水アーチの水霧は、うっかり体が溶けそうになって焦ったw これも冥界ならではの演出なんだなあ。

  3. 生前にテレビでしかチア見たことなかったけど、死後の世界の方が圧倒的に自由で面白い!次元跳躍チアとか、本当に魂が震えました。演者たちにお化け式ハイタッチ送りたい!

  4. ぶっちゃけ、こんな高難度なことできるのはもう妖怪か精霊だけだよね。幽霊新参の自分には、いまだにピラミッドの中を透過してジャンプするコツが理解できません…(汗)