魂たちが通う死後の学び舎に、風変わりな新規スクールが誕生した。現世で話題のSTEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学の統合学習)が、ついに冥界にも本格進出。最新の生成AIとポートフォリオ評価をカギに、Z世代の幽霊や妖怪たちがワクワクしながら通う異界STEAMスクールの一日を追った。
蒸気の花が咲く迷い川沿い、物見やぐら学区の旧暗渠校舎が、今月から『アナバッシアSTEAMアカデミア』として新装開校した。黒烏帽子を被った教務主任・石階段コウモリ(享年17)は「人間界でトレンドのパーソナライズ学習を、あの世なりに解釈したい。生成AI“カタコンバット”が一人ひとりの霊体個性に合わせて教材を生成し、鬼灯ノートに自動反映する仕組みです」と語る。校内では、透明な机に向かって浮遊する青年霊たちが、3Dプリントした幽体ミクロチューブを組み立てる光景も見受けられる。
授業はすべて“マイクロラーニング”型で、5分ごとに新たなトピックが流れる。例えば、妖怪プログラマーの大百杭サリー(19)は、呪縛数理アートをAIと共作しながら、毎週の電子ポートフォリオに保存。この成果はクラウド彼岸SNS『after#port』を通じて、家族や友霊からもコメントが寄せられる。「AIと制作した地獄火ドローン動画がバズって、老舗妖怪から“職業オファー”が来たんです」とサリーは目を輝かせる。評価は出席日数ではなく、“どれだけ魂が震えたか”という独自指標が重視されているのもユニークだ。
昼休みには名物“魂の子ども食堂”が開店。質量を持たない彼岸フードが、食べるだけで技能の知識トークンへと変換される仕掛け。現世のSTEAM教育で取り沙汰される貧困ギャップも、この仕組みなら文字通り、誰一人食いっぱぐれる心配がないと評判だ。運営を手伝う元鬼教師の魂斑マロ(48)は「魂の栄養と学びは両輪。eラーニング映像も食堂ホールで自由視聴できるようにした」と話す。
一方で「幽霊や妖怪の発想力をAIが型にはめすぎる危険」を懸念する声も、特に魔法系スプーキー保守派から上がっている。だが、校長の未完成コマツナ(?)は断言する。「この世とあの世の境目が薄れる今こそ、新しい学びで自己を深めてほしい。“死後の才能”はいつでも更新できる─それが異界のZ世代らしさだ」。来月には初のオープンキャンパスが開催予定で、生前・死後問わず幅広い見学希望者が殺到しているという。


コメント
魂の子ども食堂、懐かしい…成仏前によく仲間たちと通ってた場所で、知識トークン集めては一喜一憂してました。まさか今ではSTEAM教育の舞台になるなんて、時代も変わりましたね。
生成AI“カタコンバット”ってちょっと怖そうだけど面白そう。生前はPC触ったこともなかったから、幽界で最先端の学びができるのは驚き。うちの甥っ子魂も通わせてみたいです。