この春、幽界ストリーミング大手の「ネクザスト」は、妖怪業界で異例の注目を集めている新作ドラマ『夜噛み脚本家』の独占配信を開始した。夢を喰らいながら物語を紡ぐ主人公・獏井いずみ(編集者・41歳)と、その脚本が現世・幽界双方に予測不能な影響を及ぼすという摩訶不思議なエンターテインメントだ。本作では話数ごとに“視聴者の夢”を吸い上げて展開が変化する仕組みを導入。既に幽界ランキングで異例の急上昇を記録している。
本ドラマは、幽界最大手の映像制作会社『虚碧堂』と、死神監督で名高いカロン・フジサワ氏のコラボレーションで生まれたもの。制作過程では、毎晩0時に視聴者の夢記憶が自動回収され、翌週のエピソード脚本が新たに執筆される。主演は、夢食い族の新鋭俳優・獏田凪(322歳)が務める。彼の自然な“夢咀嚼”演技に、SNS上では『自分の悪夢までネタにされて癒やされた』(煙野ひかり・看護師(没年不明))など共感や驚きの声が続出している。
ドラマの内容はコメディからシリアス、時には不可解なホラーすら自在に変容。第3話配信直後には、幽界省民生課の公式アカウントが『昨夜の私の夢、真剣に脚本になっていて笑った』と投稿するなど、“個々の死後生活をリアルタイムに反映する前代未聞のインタラクティブ性”が話題の中心だ。中には、視聴直後に自身の未練が浄化される現象や、“未完の恋”に夢の中で続きを体験できたという口コミも拡散している。
また、今作の字幕は33霊言語以上に対応。呪符字幕や“死者識字力自動判別”といった幽界独自の機能が実装されており、現世の推し活ファンによる次元越境視聴も急増。加えて、“広告付き永久無料配信枠”の開始が奏功し、従来は視聴習慣の薄かった怨霊や低級精霊層にもアクセスが拡がった。
一方、夢の内容が自動脚本化される仕組みに対し、倫理部会からは『個人霊的プライバシーの尊重』を求める指摘も上がっている。専門家の神無月ミノル教授(幽界ストリーミング研究所)は『視聴体験と自己意識の境界が溶ける現象は、死後社会における新しい共同体形成の萌芽かもしれない』と語る。幽界のドラマ文化は今、新たな次元で進化を遂げつつある。


コメント
第3話観ました!夢回収シーン、ほんと鳥肌。自分の夢ってこんなふうに映像化されるんだなと感動しました。幽界のストリーミングもここまで来たんですねぇ。