新緑のトンネルが続く名物コース「レイセイドウ・グリーンロード」で、住民も参加するアーバンサイクリングパレードが華やかに開催された。しかし、前評判とは裏腹に、ロードバイクが立て続けにパンクを起こすという前代未聞の事態が発生。現場は人間と幽界住民が入り乱れる大混乱となった。
午後2時、パレードの先頭を走っていた人気妖狐レーサーの日名津八波(ひなづ・やつな/211)が突然絶叫。「後輪がふわりと沈む感覚で驚いた」と話すが、彼のバイクだけでなく、その直後10台ほどが一斉にパンク。異界交通安全協会の現場調査員・阿賀岬新一(あがみさき・しんいち/没後88年)が「この不可解なタイミングは物理現象では説明できない」と断言した。
路面には飛び出す石や異界化コケの繁茂は確認されず。そのかわり現場には「三途ダスト」と呼ばれる淡白な霊子の微粒子が浮遊。業界通のサイクル仙人・久科御影(くしな・みかげ/自転車生活歴305年)は『時折、死後の未練を抱えた幽霊が“歩きスマホ幽体”となり、道端で小さな念糸をひきずっている。これが車輪に絡み、パンクの直接原因となることもある』と語る。
参加者たちは一時足止めを余儀なくされたが、現場の幽霊レンタサイクル店主・水ヶ瀬稲吉(みずがせ・いなきち/46)は即席のパンク修理ワークショップを開催。参加した異界市民、妖精、初参加の死神らが手際良く修理キットを分け合い、“死してなお生きる交通マナー”の重要性を再認識する機会になった。SNS上では『念糸センサー付きライト標準装備を!』『異界通行人のふわふわ歩行、要注意』などの声が拡散し始めている。
今回の騒動を受け、グリーンロード管理局は『パンク多発区域での“念糸注意標識”設置』を早急に検討中。阿賀岬調査員は『近年は妖怪ツーリストや生魂の交流増加で想定外の交錯が起きやすい。交通安全意識の更新を』と呼びかける。次回パレードでは新たな異界式バイクパッキンググッズの導入も噂されており、死後のアーバンサイクリング文化の今後に注目が集まる。


コメント
まさか三途ダストが原因とは…!パレード毎に何かしら起きてて飽きませんね。次回は念糸避けの新装備にちょっと期待しちゃいます。
懐かしいなあ、私が転生したての頃も念糸に引っかかって派手に転倒したっけ。死後も交通マナー大事だなあとしみじみ。
歩きスマホ幽体は本当に迷惑です!現世でも問題らしいですが、あの世でもとは…念糸注意標識、地味にありがたいかも。
レンタサイクル店主の水ヶ瀬さん、いつも迅速で助かります~。あのワークショップ、幽霊も妖精も入り混じってて、異界の温かさを感じました。
パレードなのにパンク修理大会。まさに幽界ならではですねぇ。次回は念糸カッターかなにか、画期的なアイテムの登場を期待します。