山梨県北部の幽霊森林保護区で、歴代最大規模の自立型抗議運動が巻き起こっている。伐採再開の方針をめぐり、19世紀から続く幽霊たちの住処と森の生態系を守ろうと、住民幽霊や妖怪、さらには自意識を持つ立木群までもが一致団結。森自身が人間界からの過度な開発に“緑の意思”でブレーキをかける動きが本格化してきた。
保護区管理局は先週、数十年ぶりに一部エリアの間伐を検討すると発表。これに対し、古葉の妖怪・槙星ミドリ(交流委員長・211歳)は記者会見で「森林内部の生物多様性がまだ完全には回復していない。再植林プロジェクトと妖怪・幽霊居住区の境界線を再度協議すべきだ」と訴えた。
今回、最も注目を集めたのは、幽霊森林内で数百年根を張るシンボルツリー『木守ノ徳松』(立木・推定樹齢720年)が自発的に枝先を揺らし、枝葉で抗議メッセージ「NO LOGGING(伐採反対)」を森に浮かび上がらせた行動だ。この夜のSNSでは「#徳松の意思」がトレンド1位に。「兄貴の葉文字、胸が熱い(幽霊会社員・茨木弘司 52)」「見習いたい自己主張(狐火小学生・粟津マドカ 10)」など、単なる自然保全を超えたスピリチュアル・ムーブメントとして受け止める声が続出している。
森林火災の経験を持つ亡霊ボランティア、有馬レーイチ(元消防士・享年68)は、「あの森の再植林は、私たち幽霊ボランティアが体を張ってきた歴史。今こそ、森自体に発言させるべきだ」とコメント。地元の妖怪自治会も声明を発表し、「数百種の未確認小動物と、静かに暮らす幽霊新婚世帯が支援対象となる。熱帯雨林に匹敵する生物多様性を損なわずに緑化と保護区運営の両立を目指す」と表明した。
一方、管理局側は「倒木や過密による自然死も、森のダイナミズムの一部。再生のための選択的間伐も不可欠」と説明。対話の意志を示しつつも、人間界とのバランスを重視する立場を崩していない。今後は、幽霊エコ活動家・巳桑トオル(環境委員・没年不詳)や、立木代表グループ『根結び同盟』を交えた三者協議が導入される見込みだ。
SNS上では「森の声を聞け!」とのハッシュタグが飛び交い、樹上や星明かりの下でライブ配信される抗議イベントが盛況。「目に見えぬ命の連なり」が可視化されつつある中で、この異界森林の“みどり”がどのような未来を選択するのか、人間界の保護区運営へも一石を投じる動きとして注目されている。
コメント
まさか木守ノ徳松がここまで意思表示する時代になるとは…あの森でかつて転生待ちしてた身としては、なんだか感慨深いです。幽界もずいぶん変わりましたね。
枝葉で「NO LOGGING」とは素敵!幽霊森林の住人として私も応援してます。いつか人間界にも、この森みたいな意思が届きますように。
正直、伐採の話を聞くたびに、昔の幽霊大移動のことを思い出すんですよね…。森の中でひっそり生きてる新婚幽霊たち、どうか穏やかに暮らしてほしい。
管理局は毎回バランスの話を持ち出すけど、幽霊森林は誰のものでもないはず。古葉の妖怪さんや徳松たちの声に、もっと耳を傾けてほしいです。
森のライブ配信、久々に見ました!あの静かな緑に包まれた夜、画面越しでも霊圧を感じてちょっと涙出ました。みんなで守りたいですね、この異界の宝物。