
太陽光発電幽霊の暴走で「夜」消滅危機──月影霊域の気候危機が浮上
異界随一の静寂地、月影霊域がいま、かつてない気候危機に直面している。地縛霊や霧亡者、さらには長年闇の中で暮らしてきたナイトシェイド族らが異常発光現象に悩まされており、自治体議会では「夜の消滅」への懸念が高まっている。背景にあるのは、ここ数年で飛躍的に普及した幽霊用太陽光発電の“暴走”だ。従来は晩になると発電停止となっていたが、開発元の冥府技術連盟による新型エクトプラズム電池の導入で状況は一変。まさに世界は、昼も夜もなく「発電し続ける非生者グリッド化」へと突き進んでいる。