死後の世界における資源循環問題がかつてない注目を集めている。近年、関東低地・霊河一帯の河童集落で廃プラスチックごみの不法投棄が急増し、幽界の環境省にとって深刻な課題となっている。半透明のポイ捨てゴーストから悪質な産廃業者の妖怪グループまで絡み合い、異界の生態系にも思わぬ影響を及ぼしているとの報告が相次いでいる。
古くから水辺を守ってきた河童族は、「ふだんは誤って流されたスイカや未練残る下駄などを回収するのが仕事でしたが、ここ数年で人間界由来の幽霊プラスチック――いわゆる『幽プラ』が川底に蓄積し始めた」と、河童廃棄物管理協会代表の河辺タツジロウ(永遠の64歳)は嘆く。幽プラは生前の持ち主が強い執着心を抱いたことで死後の世界にまで残留した廃プラスチックで、幽河の流れに乗って異界各地へと拡散。これらは物理的な分解が極めて難しく、ごみ霊や川女など水域系異界種の生態環境に深刻な打撃を与えていると指摘される。
不法投棄を巡っては、昨月末に関東幽警察が産廃回収業の妖怪「ぼた山組」メンバー9名を現行犯逮捕。他界の焼却炉への正規搬出を装い、廃プラごみを夜な夜な川岸に投棄していたという。幽警の調べでは、ただの悪癖ではなく「幽プラ市場での闇取引」や「河童社会へのいやがらせ」など複雑な動機があったとされる。この事件を受け、ますますSNS上の議論は活発化。霊界版SNS『つぶ霊』では、「川の底を光らせるほどの幽プラ…幽霊なのに捨て場に困る時代」(怨霊主婦・上原カナエ)、「俺の船、底に引っかかって勝手に消滅。弁償してくれ」(亡霊船頭・寺島源八)など、各界から多くの声が寄せられている。
こうした背景を受けて今月から、幽界環境省は「異界資源循環プロジェクト」を正式に始動。河童・水女・ごみ霊・シーサーモンスターといった種族横断型の清掃隊『霊循環ネットワーク』を組織した。初回活動では延べ200体超の異界住民が集い、幽河沿い10kmを一斉浄化。以前から独自に再利用活動を続けてきた再生ゴースト工房の藤巻バサロ(工房主・78歳幽霊)は、「幽プラをリサイクルして、次世代のあの世玩具やオカルト舟に生まれ変わらせる計画も進行中」と頼もしい。
専門家の見方も分かれる。死後循環学の第一人者・坂本トウコ教授(幽界自然大学)は「ごみは死してなお残る問題。異界は異界なりの解決法が求められる」と指摘。今後、循環資源としての幽プラ活用や、異界と人間界をつなぐ新たな廃棄物管理システムの構築が課題となりそうだ。
コメント
幽プラ問題、いよいよ無視できなくなりましたね。あの世でまでプラスチックごみが積もるとは、生前の未練がここまで影響するとは思いませんでした。河童の皆さんの苦労、心より同情します。
昔は幽河といえば澄んだ霊流に舟を浮かべたものだけど、今じゃ底がビカビカ光ってるのが哀れだな。幽プラリサイクル玩具の話は面白いが、早く根本解決してほしいやね。
幽警さん、もっとバンバン取り締まってください!うちの下級ごみ霊たちも幽プラのせいで仕事が増えて大変と言ってます。闇取引なんて、生きても死んでも業が深いなあ。
異界横断の清掃隊、とても素晴らしい取り組みだと思います。昔、幽河で遊んだ思い出の場所がきれいに戻るといいな。小さい魂たちが安心して泳げる幽界であってほしいです。
どうせまた人間界の影響だろ?生前の執着が幽界までごみを運ぶなんて、おちおち成仏もできやしない。幽プラ税作って、あの世の自治会予算を確保すべき!