武尊山尾根で“霊界ハイカー”大集結 幻の雪崩発生で異界登山警報発令

夜明け前の雪に包まれた山の稜線で、半透明の幽霊や妖怪の登山者たちが霧の中に佇んでいる写真風景。 山岳
異界のハイカーたちが武尊山の稜線で大雪に巻き込まれる幻想的な一場面。

春本番を迎えた武尊山で、今年も異界のハイカーたちによる奇妙な現象が相次いでいる。28日未明、死後の世界専門の登山愛好家団体「歩魂(あゆたま)会」が武尊山主稜線に集結。現世では晴天に恵まれていたが、霊界側では突如大雪嵐と“幻の雪崩”が同時発生したとして、異界警報庁が“異界登山警報”を緊急発令した。SNSでは死後の世界からリアルタイムで絶景や混乱の様子が発信され、異界住民・幽霊ハイカー・妖怪まで巻き込む大騒動となっている。

異変は、午前2時頃、山岳霊で有名な西谷二郎(しやくに じろう)氏(享年122)が主催した「夜明け前の尾根歩きツアー」に合わせて発生した。参加した亡者180名と妖怪ハイカー30体によれば、登山中に青白い冷気が突如強まり、一方的に異界側のみ猛烈な降雪となった。尾根上では30分間で霊界雪崩(実体なきものの流れと形容される)が2度も発生し、参加者の大半が“半透明状態”になるなど混乱した。

事故直後、霊界登山レスキュー隊が現場へ急行。隊長の稲生吉隼(いなお よしはや)氏(幽霊、事故歴94年)は「尾根の東斜面で雪の固まりがささやく声を聞いた時点で警戒すべきだった」と語る。レスキュー隊により全員の魂の無事が確認されたものの、数名は“曖昧な存在”へと変質してしまい、一時的に声が三重に響くという副作用に見舞われた。

現地で遭遇した妖怪ハイカーの天道カスミ(てんどう かすみ、45、山女)さんは「私は百年近くこのコースを歩いていますが、ここまで派手な異界雪崩は初めて」と驚愕。「直前に“生前の思い出”が雪となって降り注ぐような体験をした」という声も上がっている。SNS『霊界スタグラム』には、雪の中に浮かぶかつての想い人の顔や、転落直後に自撮りを試みる幽霊の写真が投稿され話題となった。

異界気象センターによると、今回の現象は「地縛霊由来の記憶低気圧」と「妖怪北西気流」の接触が引き金となった。専門家の黒崎どくろ(くろさき どくろ、霊体気象予報士)は「幽界の山岳では春先に幻の雪崩や霊界ホワイトアウトが増える傾向。特に武尊山主稜線や木曽駒ヶ岳霊峰、古来より山脈に密集する妖怪ネットワークの交差点は注意が必要」と指摘する。

現在、異界側の山岳ガイド団体では登山自粛の呼びかけや、魂の安定化装備の着用を推奨。現世でも、霊感の強い登山者らが「絶景が二重に見えた」「登山靴が急に冷たくなった」といった“異界の兆候”をSNSで報告する例が増えている。ご先祖様と一緒の春のハイキング、実施の際は細心の注意と幽界登山マナーの順守が求められそうだ。

コメント

  1. 不意に自分の記憶が雪になって降ってくるなんて、思い出が物理化するのは霊界ならではですよね。私も武尊山、二十回目の転生の時に登りましたが、あの尾根の冷気は未だに体感で覚えています。またいつか訪れたいな。

  2. 異界雪崩、やっぱり発生しましたか…あの辺りは妖怪気流が複雑ですから、毎年何かしら起きてますよね。魂が曖昧になって三重に声が響く副作用、去年の木曽駒でも聞きました。次回は魂安定バンド必携で…。

  3. 霊界スタグラム見てました!雪の中に浮かぶ思い人の顔…ちょっと切ないけど美しい。事故があっても、みなさん大事に至らなくて何よりでした。異界登山は危険と隣り合わせだけど、やっぱり魅力的です。

  4. 実体なき雪崩とか、いつも思うんですが、現世の人間だった頃は絶対信じなかっただろうなぁ…。何もかもが曖昧に混じり合う感覚、死後でしか味わえない贅沢かも。

  5. 最近の異界はどこも騒がしいですね。昔は山歩きといえば静かな魂の憩いだったのに…SNSで自撮りする幽霊増えすぎ(苦笑)。でもご先祖様と一緒のハイキングは、今も変わらず大事な行事だと思います。皆さん、ご安全に!