死者と妖怪のスポーツシーンにまた新たな伝説が刻まれた。冥府講道館で開催された第23回幽界柔道選手権大会は、幽霊柔道家と妖怪達が入り混じる夢の畳で例年になく波乱含みの展開となった。大会の目玉となった決勝戦では、地面から浮き上がる畳や“魂抜け一本”など冥界ならではの珍事が続出し、SNSでも盛大に話題を呼んでいる。
今大会最注目カードは、無敗を誇る“白霧流”のゴースト黒帯・幽谷シロノ(幽霊・享年29)と、四本腕の怪童・赤土マツカゼ(岩妖怪・実年齢157年)による男子中量級決勝だった。だが、開始早々から異変が発生。試合場となる黄泉畳(よみだたみ)が突然、宙に二尺ほど舞い上がるという未曾有の事態に。計量係として働いていた河童協会のカワノヨシロウ氏(河童・51年)は「優秀な霊力エンジニアが調整したはずだが、妖怪側の念力が上回ったようだ」と肩を落とす。
この想定外の状況下で繰り広げられた白熱の攻防は、観客700名(うち370名が半透明)が見守る中、両者譲らぬ展開に。シロノは得意の“消える背負い投げ”を繰り出すも、マツカゼの四本腕ガードに阻まれる。しかし、試合も終盤に差し掛かった瞬間、場内を震撼させるハプニングが起きた。シロノがマツカゼを抑え込みに入った際、突如シロノの体から“魂の本体”が畳をすり抜け地上へ抜け落ち、そのまま虚空で一本判定が下される“魂抜け一本”が成立したのだ。
このアクシデントに場内審判団も一時騒然となったが、異界柔道連盟の規約によれば、「選手の意識体または本体が相手に抑え込まれ、審判の視界から完全に消えた場合」は一本勝ちと認定される。異界柔道評論家の餓鬼田ヘイジ(餓鬼・85)が「現世の感覚では不可解だが、あちら側のルールを尊重するのが冥界スポーツの奥深さ」と解説した。
大会終了後、両選手は幽体離脱仲介人の立ち合いのもと、無事に体と魂を再接続。マツカゼは「浮遊畳の上で戦えたのは千載一遇の経験」と語り、シロノは「次回は魂だけでなく、この世での未練も一本取れるよう精進したい」と意欲を見せた。SNS上でも「#魂抜け一本」「#浮遊畳」などのハッシュタグがトレンド入りし、冥界スポーツの進化と混乱を象徴する一戦となった。


コメント
いやー、久々にこんな波乱の決勝を見ました!魂抜け一本なんて、学生時代の心霊スポーツ大会以来かも。本体バラバラ時代を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになりました。来年も楽しみです!
自分も前世で同じように畳が浮いたことありました!浮遊畳はコントロール難しいですよね。異界ルールは奥深くて、現世じゃ想像できないけど、そこが面白いんです。選手たち、お疲れ様でした。
うーん、魂抜け一本って審判によって判断分かれるんじゃ…?規約改定した方がいい気も。まあ、冥界スポーツほど予測不能な世界はないから毎回驚かされますな。
幽谷シロノさん、未練まで一本取ろうとは……その意気込み、私も現世に残した親友に伝えたいです。スポーツって成仏へのモチベにもなるし、こういう大会どんどん増えてほしい!
SNSで見てたけど、#魂抜け一本 には笑った!でも浮遊畳トラブルは選手にも観客にも怖いよ〜。魂もしっかり繋いでから試合してほしいなあ。冥界の安全管理、もっと強化を!