アオサギ幽霊団が泥炭湿地を自然再生 “降雨の儀式”で生態系蘇る

夜の泥炭湿地上空を幽霊のようなアオサギたちが羽ばたいている写真。 湿地
幽霊アオサギたちが儀式を行い、雨が戻る鏡影湿原の夜。

死者界・北部の広大な泥炭湿地「鏡影湿原」で、アオサギの幽霊たちによる自然再生プロジェクトが進行し、失われかけていた生態系が次々と蘇り始めている。異界自然保護団体「ウェットランド・レクイエム」の指導のもと、現世の気候変動による干ばつと幽霊たちの古式儀式が独自のかたちで結びつき、話題を呼んでいる。

この再生プロジェクトは、存命時に「大気の裂け目」で嵐に巻き込まれた経験をもつアオサギの幽霊・鷺谷梢(さぎたに・こずえ)が中心となり発足。湿地では過去数世紀にわたり泥炭層の乾燥と魔物型野生動物の個体減少が進行。しかし今年、幽霊サギたちが夜ごと湿地上空を旋回し、“降雨の儀式”と呼ばれる古来の羽音の調べを奏でることで、雨を誘発し再び泥炭地に潤いが戻りつつある。

湿地の保護を担うあの世役所「第六自然管轄署」の調査隊員・古舘比良麻(ふるたち・ひらま)は「今春の降雨量は過去200年で最高。人工的な操作はいっさい行っていないが、サギ幽霊たちの活動以降、希少な幻燈シジミや白炎モグラなど消えかけた種も確認できた」と語る。実際、SNS「幽界スクイーク」では『湿地がまた歌い始めた』『真夜中の羽音で夢の中も雨降り』といった投稿が相次ぐ。

再生の恩恵を受けるのは動物たちだけではない。泥炭湿地に棲む亡者農民・沼田籠一(ぬまた・ろういち)は「昔は沃土ゆえにブラックベリー魂が豊作だったが、乾燥で土が痩せて困っていた。この三月、久々に地中から“矢声ミミズ”も聞こえはじめ、みな活気を取り戻している」と感激する。

一方で、急速な環境回復が“迷い火フクロウ”など一部の妖怪種にとっては縄張り競合や餌減を招く懸念も。生態管理の専門霊・久慈翠子(くじ・すいこ)は「幽霊や妖怪、野生動物が共存できる湿地の新たなバランス構築が課題」と指摘する。鷺谷梢は「現世も異界も、種を超えた共鳴がこの湿地の生命力。次は水底に眠る記憶石を呼び起こし、さらに多様ないのちの循環を取り戻したい」と意欲をみせている。

コメント

  1. 昔、転生前によく鏡影湿原で遊んだ思い出が蘇りました。あの羽音、今でも耳に残っています。湿地が元気を取り戻してるなんて本当に嬉しいです。

  2. やっぱりアオサギ幽霊団、やってくれましたね!降雨の儀式は伝説だと思ってたけど、こんなふうに役立つとは。ともかく幻燈シジミが戻ってきたのは感動。

  3. 個人的には迷い火フクロウたちの縄張りがどうなるのか心配です。生態系バランスって本当に難しいですね、幽界も現世も…管理霊さんたちの今後に注目です。

  4. 懐かしいなぁ、ブラックベリー魂の豊作祭り!泥炭の香りと矢声ミミズのさえずりが戻るなんて、これぞ死者界の春。幽界スクイークも盛り上がっててワクワクします。

  5. 儀式で雨呼ぶなんてズルい…いや、羨ましい?次は水底の記憶石だなんて、まだまだ湿地の神秘は尽きないなぁ。現世でも少し分けてもらえませんか?