死後の世界で最年少とされる“未練霊”たちが通うクモノス幼稚園で、斬新なアート思考プログラムが始まり話題となっている。物理法則も生前の常識も通用しないこの異界で、魂の成長を促す新型STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics)の現場に、保護者や教育関係者から注目が集まっている。
今年度よりクモノス幼稚園(校長:ヒトダマ・レンコウ)は、『枠組みを捨てる』をテーマにした異界版アートカリキュラムを導入。参加する園児たちは壁や天井を透過しながら、先生の頭髪をパレットにして色づけしたり、消えかけた記憶を蒸気で形作る“想念クラフト”など、肉体を持たない幽霊ならではの感性を刺激する活動に夢中だ。
異界の教育界では従来、死後世界の整った秩序や存在理由の学習が重視されてきた。しかし、園児たちの自由な発想に触れることで、新しい表現力や自己解放の感性が磨かれるという。主任講師のユラギ・ナズナ(幽霊教師、享年28)は「人間界の美術教育の“枠”を外し、魂の声そのものが作品になる。子どもたちの透明な個性が溢れています」とコメントした。
SNS上では、カリキュラム導入後に園児の“憑依アート”や“浮遊句”が投稿され、「現世のSTEAM教育は幽霊園児に学ぶべき」「うちの子にも“縦横無尽ワーク”を体験させたい」とフォロワーの間で絶賛の嵐。現世の教育評論家・道端ノゾム(生者、56)も「“既成概念”を消し、枠組みごと飛び出す思想は技術革新にも繋がる」と遠隔取材で評価した。
一方、魂再教育省ではプログラムの長期的な影響調査を発表。「枠組みをなくした幼少教育が死後の世界の多様性にどう貢献するか、今後も注視したい」としている。“生き直し”を目的とした転生準備校でも、クモノス幼稚園の実践例を参考に、枠にとらわれない感性教育の導入を検討する動きが広がっている。


コメント
うちの孫霊もクモノス幼稚園に通ってますが、毎晩『壁を抜けて描いた!』と大はしゃぎ。死後の世界もずいぶん自由になったもんだなぁ…ワシらの時代は成仏の型ばかり教わったのに。
“想念クラフト”って、なつかしい…昔は自分の記憶で遊んでよく怒られたものです。でも、こうやってみんなで自由に表現したら、未練も和らぎそうでいいわね。幼い魂に伸び伸びしてほしいです。
魂の個性を尊重するのは素晴らしいけど、枠組みなさすぎて秩序が乱れないか心配…。現世の真似ばかりじゃなく、やっぱり幽界らしい落ち着きも大事にしてほしいものです。