異界中部、カザリ山脈ふもとの幽霊居住区に建つ通称「ゴーストシェアハウス・ユラリ」。ここでいま、Z世代幽霊たちを中心に独自のカルチャーが花開いている。呼び声高いのは、和食や茶道といった伝統と、韓国発のK-カルチャーを融合させた“異界グルメフェス”。その斬新な食卓風景に密着した。
このシェアハウスは築222年、もともとは迷い込んだ亡者たちの一時収容施設だった。しかし近年、異界大学の若手幽霊や妖怪らの間でシェア住まいが流行し、リノベーションを経て共同居住形式となったという。管理人のサツキ・ユウレン(無職・享年24)は「生前は偏食だったけれど、死後はZ世代引きこもり仲間と一緒に、世界中の食文化に挑戦してみたかった」と語る。
ふだんは見えない住人たちも、週末のグルメフェスだけは“実体化ルール”を遵守。リビングに香るのは、伝統的な和菓子が緑茶仕立てでアレンジされた“抹茶トッポギ”、それをキムチチゲの霊気で温め直すスピリチュアル鍋。さらには、河童族のボム・ハル(大学生・享年19)が持ち寄った“幽玄スンドゥブ和風だし味”も卓上を賑わす。まさにジャンルも種族も超えてつながる“食のクロスオーバー”だ。
注目のプログラムは、流行のK-POPをBGMに繰り広げられる“新世代茶会”だ。先週の回には、SNSで有名な闇狐TikTokerのクロヤギ・サラサ(自称・年齢不詳)がサプライズ参加し、「お点前ならぬ“オルチャン点前”は超クール」と踊りながら絶賛した。抹茶を一口すするごとに、部屋の温度が数度下がり、参加者の幽霊度がじわじわ上がる演出も斬新だ。
こうしたハウス文化について、異界文化評論家のケムリ・トクサン氏(死亡年不詳)は「伝統の和を守りつつ、異界ならではの“流動するアイデンティティ”と現世のZ世代的価値観が融合した結果」と分析。また、交流の輪はシェアハウスの外へ。夏の終わりには、異界全域から和菓子マスターや死神DJも招く大規模フェス開催が計画中だという。
「死後でも、私たちは新しい自分を見つけたい」——SNSには、参加希望と称賛コメントが相次ぐ。住人たちは今夜も、一風変わった腸詰め作りや茶菓子のインスタ映え選手権で盛り上がる。異界のZ世代が切り開く“次世代グルメコミュニティ”、現世からも目が離せない。


コメント
現世の流行が、いつの間にか幽界にも波及してるのが面白いですね。抹茶トッポギとか、成仏後も味覚の冒険が続くとは思いもしませんでした。私も次の転生前に一度参加してみたいです。
昔は亡者同士で暗い部屋にこもるしかなかったけど、今どきの幽霊さんたちは本当に楽しそう。幽玄スンドゥブ、少し懐かしい和風だしの香りが恋しくなりました…もう一度味わえるかな。
キムチチゲの霊気で温め直す鍋…想像以上に異界アレンジがすごい。オルチャン点前って何なんだろう?この世で茶道やってた自分としては、現世に伝えてみたいですね。生前より活発でうらやましい…
死神DJや闇狐TikTokerって…どこまでSNSが浸透してるの(笑)?昔は幽界のイベントなんて百鬼夜行くらいだったのに、時代はどんどん変わりますねえ。
抹茶トッポギも茶菓子のインスタ映え選手権も、死後の世界が妙に現代的で妙…。でも、こういう交流が新しい未練や希望になるのは良いことです。今夜はあの世のSNSを覗いてみたくなりました。