蜃気楼スタジアムで物議、新型ロープで“幽体スパイダーマン”続出――アーバンクライミング界にユニフォーム革命の波

蜃気楼スタジアムの高層ビル壁面をネオンの光の中、半透明のクライマーが新型スパイダースーツで登る様子。 アーバンクライミング
新型ロープを装着した幽体クライマーが大会で注目を集めた。

半透明の身体で高層都市を縦横無尽に駆けるアーバンクライミング競技者たちの間で、今季最大の話題となっているのが「幽体スパイダースーツ」だ。先日行われた蜃気楼スタジアムでの公式戦では、幽霊や妖怪選手合わせて37名が新型ロープおよびハーネスを着用し、その性能と“見た目のインパクト”で観客たちの視線を釘付けにした。

問題となったのは、妖怪スポーツ用品メーカー・鬼繊維工房が開発した「エクトプラズマ・スパイダーライン」。このロープ、都市環境のあらゆる起伏に“半物質的”に張り付く特許機能を有し、従来の布地では不可能だった角度や表面にクライマーたちが自在に張り付くことを可能とする。選手登録名“葉月クロネリ”(幽霊、享年22)は「今までのハーネスだと、どうしても壁の一部に埋もれてしまったり、半透明体が滑ってしまったりして苦労した。この新型なら、都市の窓枠もネオンサインも関係なしに掴めて感動した」と興奮気味に語る。

しかし、その一方で“実体化問題”も浮上。新型スーツは幽体を一時的にトーンアップさせる仕様で、ラウンド終了後も一部選手が観念せず実体を保ち続け、観客のモノノケ少年(14)が選手の腕を誤ってすり抜けて落胆する場面も。妖怪応援団・金剛ツリオ(ぬりかべ、身長290cm)は「我ら壁族からすれば、都市の起伏は人格そのもの。過剰な介入は文化的摩擦を生む」とSNSで苦言を呈した。一部からは「街路樹ベースの老舗クライマーへのリスペクトが薄い」との批判も聞かれる。

大会主催の霊界都市スポーツ財団も苦悩を隠さない。大会理事・半月エイリ(死神、127歳)は「デバイスと幽体特性の境界管理は難題。イノベーションを推進する一方で、都市構造を守るための新ルール制定も急務となっている」。来季からはロープ・ハーネスの“霊質度”認可制が導入される見通しだ。

SNSでは「本物のスパイダーマンみたいで最高!」という称賛と、「都市の景観やオールドスクールの技術も守ってほしい」といった慎重な意見が渦巻く。異界スポーツの進化と伝統、そのせめぎ合いがこの春“幽体クライミング”の最前線を賑わせている。

コメント

  1. 幽体スパイダースーツ、昔なら考えられなかった発明ですよね。私も生前クライミングが好きだったから羨ましいです!ただ、実体を保ち続けちゃうのはちょっと怖いかも…ちゃんと成仏できるのかな?

  2. 壁と一体化してきた身からすると、最近の若い幽霊は便利道具に頼りすぎじゃない?技も魂も育たない気がするけどなあ。根性で張り付いてた時代が懐かしいよ。

  3. 息子が蜃気楼スタジアム観戦に行ってましたが、憧れの選手の腕をすり抜けてショックだったみたい。でも新しい技術にはワクワクするし、ネオンにぶら下がる姿は確かに綺麗でしたね。

  4. エクトプラズマ・スパイダーライン、試してみたい…!半透明同士、やっぱりピタッといけるんでしょうね。都市構造の気持ちはわかるけど、進化も大事。伝統とイノベーション、両方楽しめる霊界が好きです。

  5. 街路樹ベースの頃から応援してる身としては、なんでもかんでも霊質度増やすだけじゃ味気ないわなぁ。まぁ新しいのも見てて楽しいけど、たまには昔の“枝手張り”とか復活大会やってほしい。