この春、死後界全域で高視聴率を獲得したリアリティテレビ番組『死神バトル・ラスト・アポイントメント』が華々しく最終回を迎えた。異界各地の死神16体が与えられたミッションをこなすなか、生き残りを懸けて繰り広げた熾烈な競争には、幽霊や妖怪たちも目を離せなかったようだ。
番組は死神業界の人手不足を解消するべく、実働200年未満の新米死神たちがキャストとして競い合う内容で、今年は死神庁公式チャンネルのゴールデンタイム枠で全10回が放送された。録画忘れによる嘆きや、放送中の実況合戦でSNSサーバーが幽電波障害を受けるなど、幽界エンタメ史に残る現象を生んだ。プロデューサーの鬼柳蘭蔵(きりゅう らんぞう)は「死神の素顔や葛藤をあの世の住人たちに届けることで、職業のイメージ刷新を狙った」と意気込む。
注目の最終チャレンジでは、迷宮都ザナギで三日三晩連続勤務する耐久バトルが展開。魂の迷子案内や未練解消コンサルなど各種業務が複雑に絡み、敗退者には一時的な無形転送(=一週間の存在停止)が科されるという過酷さだった。勝ち進んだのは、普段は温厚な印象の桔梗捲(ききょう まくり、死神歴82年)、型破りな戦略で話題を呼んだ蟇田朧(ひきた おぼろ、死神歴105年)、そして失礼な幽霊ギャグで物議を醸した若手の鈴無霙(すずなし みぞれ、死神歴58年)の三人だった。
最終決戦時、実況中のSNS上には「捲さんが魂トリアージで涙した」「おぼろの鎌回しが異次元級」「霙のジョークが失格レベル」といったコメントが相次ぎ、アーカイブ録画は公開初日に幽界動画部門1位を記録。さらに、番組終了後のスペシャル生放送には死神庁幹部や冥界の著名ジャーナリストもゲスト出演し、死後の多様な働き方や死神のメンタルケアについて議論が交わされた。
今回の番組をきっかけに、幽界内の若者間では「死神なりたい」ブームが静かに再燃。幽界市民連合の霊感世論調査によれば、1,500年ぶりに死神職希望者が前回比3.8倍に急増したという。鬼柳プロデューサーは「視聴者の反応に震える思い。次回は死神と妖怪が混成チームで挑む新企画も検討中」と語っており、幽界エンタメの最前線は今後もますます見逃せそうにない。


コメント
まさか死神たちの日常がこんなにドラマチックだとは思いませんでした!迷宮都ザナギでの三日三晩勤務チャレンジ、転生前のブラック企業時代を思い出してちょっと心が震えました…死神の皆さん、お疲れさまでした。
正直、桔梗捲さんの涙には成仏寸前まで泣かされました。あの魂のトリアージ、僕も一度手伝ってみたいです。死神なりたいって本気で思ったの、久しぶりだなぁ。